『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「岩根山医王院と号する。甲賀郡甲西町岩根にある天台寺院。岩根山の中腹にあり、国道1号からもその巨大な本堂(7間×5間)の屋根がみえる。(中略)林道の途中に不動寺があり、巨石に「建武元年」(1334)の不動磨崖仏、また参道の途中にある観音堂に甲賀札所二十一番の聖観音を安置、その東側の大岩石に不動明王がきざまれている。「文亀三年」(1503)の紀年銘がある。(中略)本堂中央にりっぱな厨子(ずし)、そのなかに本尊薬師如来が安置されている。日光、月光両脇侍が左右に、前面に二十八部衆、両側に四天王が安置され、群像多くにぎやかである。常楽寺、長寿寺、そして善水寺が甲賀の三名寺、それに櫟野寺をくわえ甲賀四大仏教美術寺院。甲賀郡内の諸寺がみな織田信長の焼討ちにあい、他宗に転じたり廃絶したなかに、ここだけは天台宗の伝統をその伽藍の本尊形式につたえており貴重である。(後略)(池内順一郎)」とあります。なお、甲賀郡甲西町岩根は現在湖南市岩根になっています。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.445,
参考資料:
2 図説近江古寺紀行 木村至宏∥著 河出書房新社 1995年 5-1800- 95,
参考資料:
3 近江路の古寺を歩く 大石真人∥著 山と渓谷社 1997年 S-1800- 97,
参考資料:
4 近江・若狭 小学館 1991年 S-1800- 91,
参考資料:
5 近江・若狭・越前寺院神社大事典 平凡社∥編集 平凡社 1997年 S-1600- 97 p.281-282,
参考資料:
6 全国寺院大鑑 下巻 全国寺院大鑑編纂委員会∥編集 法蔵館 1991年 R-1850-セ,
参考資料:
7 日本名刹大事典 圭室文雄∥編 雄山閣出版 1992年 R-1859-タ,
参考資料:
8 日本社寺大観 寺院篇 藤本 弘三郎∥編 名著刊行会 1970年 R-1859-フ,
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