『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「高島郡今津町大字酒波(さなみ)にあり、旧川上荘の総社である。祭神は素盞嗚命(すさのおのみこと)、日置宿禰命(ひおきすくねのみこと)、稲田姫命(いなだひめのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)、天櫛日命(あめのくしびのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)をまつる。中世には酒波岩剣(さなみいわつるぎ)大菩薩といったのを、江戸時代には岩剣大明神または若岩剣宮と称し、日置山の山号でもよばれたことから、日置神社ともいわれる。日置神社をこの神社とはさだめがたいという説もあるが、日置と剣との関係をしめすものに『日本書紀』景行天皇39年条に、五十瓊敷(いそしぎの)皇子が茅渟菟砥(ちぬうど)川上宮で剣一千口をつくられたとき、十箇品部(とつかべ)をさだめて皇子にたまわったが、そのなかに日置部があることが知られる。日置神社を中心に碁盤目の条里遺構が発掘され、その辺を大字日置前という。(中略)武内宿禰(たけのうちのすくね)が霊夢によって社殿を創建したという。現在の社殿は1712年(正徳2)9月に再建された。かつて境内、馬場、北宮、林などは除地となっていた。式内社の日置神社はこの社といわれる。1876年(明治9)に郷社に列せられる。末社に金比羅社、八幡宮、西宮、天満宮、山神社がある。(中略)また神輿1基と大般若経600巻がある。境内には関白藤原頼道塔と称する高さ2.5mくらいの五輪塔があり、宇治権現という。(河原喜久男)」とあります。なお、高島郡今津町大字酒波は現在高島市今津町酒波になっています。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.594-595,
参考資料:
2 神社由緒記 三宅辨造∥編 滋賀縣内務部教育課 1921年 5-1700- 21,
参考資料:
3 近江・若狭・越前寺院神社大事典 平凡社∥編集 平凡社 1997年 S-1600- 97 p.416-417,
参考資料:
4 式内社の研究 第7巻 志賀剛∥著 雄山閣 1984年 S-1700- 84,
参考資料:
5 滋賀県神社誌 滋賀県神社庁∥編 滋賀県神社誌編纂委員会 1987年 S-1700- 87 p.585,
参考資料:
6 全国神社名鑑 下 三浦譲∥編 全国神社名鑑刊行会史学センタ- 1977年 RB-1703-ミ,
参考資料:
7 日本社寺大観 神社篇 藤本 弘三郎∥編 名著刊行会 1970年 R-1759-フ,
参考資料:
8 神社名鑑 神社本庁調査部 神社本庁 1963年 R-1759-シ,
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