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『日蓮上人伝記集』(本山本満寺 1974) p.169「日蓮大聖人註画讃」巻五第二十六の5行目に「慈仁不殺経幷大荘厳論文」という経典が登場するのですが、それぞれいつ誰によって作られた経典なのか、またどういう内容であるのか詳しく知りたいです。(千葉県立中央図書館)

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『日蓮上人伝記集』(本山本満寺 1974)p.169(「日蓮大聖人註画讃」第五巻第二十六の5行目)を確認したところ、「慈仁不殺経 幷ニ 大荘厳論ノ 文ニ」と助詞が入っているため、資料名は『慈仁不殺経』『大荘厳論』の2タイトルと思われます。 『慈仁不殺経』(ジニンフサツキョウ)について 【資料1】『仏書解説大辞典 第4巻 改訂』p.316の内容解説の項目に「出曜経第7巻の抄出」との解説がありました。 『慈仁不殺経』というタイトルでは翻刻された資料などがなかったため、『出曜経 第7巻』について調査したところ、 【資料2】『大正新脩大蔵経 第4巻 本縁部 下』p.644-649に翻刻された本文(漢文)が、 【資料3】『大蔵経全解説大事典』p.62-63に『出曜経』の解題が収録されていました。 解題によると、『出曜経』は、「紀元前後頃に法救(ほっく)(ダルマトラータ)によって編纂されたとされる。」と記述されていました。 『大荘厳論』(ダイソウゴンロン)について 【資料4】『三宝絵本生譚の原型と展開』p.36-37「第二章 六 『大荘厳論経』のシビ王本生譚」に『大荘厳論経』についての解説があり、「『大荘厳論経』は馬鳴(=Asvaghosa アシュヴァゴーシャ、二世紀)の作、後秦・鳩摩羅什の訳(建元一九~弘始三年、三八四~四〇一)と伝えられる。」との記述がありました。 また、引用部分の出典(p.47第二章注22)を確認したところ、 【資料2】『大正新脩大蔵経 第4巻 本縁部 下』p.257-348に翻刻された本文(漢文)が、 【資料3】『大蔵経全解説大事典』p.57-58に解題が収録されていました。 回答プロセス:まず、原本を確認し、資料名は『慈仁不殺経』『大荘厳論』の2タイトルと確認。 『慈仁不殺経』について 蔵書検索等では全く資料が見つからなかったため、経についての辞典類などを確認していったところ、 【資料1】『仏書解説大辞典 第4巻 改訂』p.316の内容解説の項目に「出曜経第7巻の抄出」との解説があり、『出曜経』についてリサーチナビ(http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/)を使い収録された資料を調査したところ、 【資料2】『大正新脩大蔵経 第4巻 本縁部 下』p.644-649に翻刻された本文(漢文) が見つかり、大蔵経に本文が収録されていることが確認できたため 【資料3】『大蔵経全解説大事典』を確認したところp.62-63に『出曜経』の解題が収録されていた。 『大荘厳論』について 当館蔵書検索で書名「大荘厳論」を検索したところ、 【資料4】『三宝絵本生譚の原型と展開』がヒットし、 内容を確認したところ、p.36-37「第二章 六 『大荘厳論経』のシビ王本生譚」に『大荘厳論経』についての解説があり、引用部分の出典(p.47第二章注22)から、「大蔵経」に収録されていることが分かった。『慈仁不殺経』と同様の手順で調べ、 【資料2】『大正新脩大蔵経 第4巻 本縁部 下』p.257-348に翻刻された本文(漢文)が、 【資料3】『大蔵経全解説大事典』p.57-58に解題が収録されていた。 参考資料:【資料1】『仏書解説大辞典 第4巻 サ-シ 改訂』(小野玄妙編纂 大東出版社 1984)| 9102879002, 参考資料:【資料2】『大正新脩大蔵経 第4巻 本縁部 下』(大正一切経刊行会 1924)| 9102419924, 参考資料:【資料3】『大蔵経全解説大事典』(鎌田茂雄[ほか]編 雄山閣出版 1998) | 0105430689, 参考資料:【資料4】『三宝絵本生譚の原型と展開』(中村史著 汲古書院 2008)| 0106055297,

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