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明治から昭和初期の製図用紙について その頃土木製図用紙として使用された洋紙(ワットマン紙他)を製造していた場所。輸入であれば輸入量、国内であればその工場の場所について。(紙の博物館図書室)

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ワットマン紙は英国で生まれた紙で、製図用、図画用として広く世界中へ輸出された紙。フランス、ドイツ、オーストリアで贋作も製造された。正規の輸入物であればイギリスで作られたことになる。 製造工場は変遷があるが、いずれもケント州メイドストンにあった。 ワットマン紙の輸入量は不詳。 解説 日本においてはケント紙とワットマン紙が混同されているが、ケント紙という名称は日本独自のもので、本場イギリスにもその他の国にもない。質問者の資料には「ホワトマン用紙」とあり、これはワットマン紙のことだと思われる。 ワットマン紙は英国で生まれて、世界中に輸出され、一部では偽造もでるほどの人気のある紙であったので、 この「ホワトマン用紙」は輸入物である可能性が強い。 ワットマン紙(Whatman paper) イギリスのケント州、メイドストンに数百年来の伝統を誇りとして発達した紙。ワットマン(James whatman)が1770年頃作り出したのでこの名がある。ケント(紙)に比べて厚く、肌合いに大きな「シボ」があり、画材適性をもった紙。麻を原料として、永久保存にも耐えられる。(特種製紙五十年史) 1937年まではすべて手漉きであった。(Dictionary and encyclopaedia of paper and papermaking) 海図用紙(ケント紙) ケント紙は海図用として海軍水路部の要望で研究され、大正七年より三菱製紙高砂工場にて製造開始。輸入品の代用として認められてからは海図用紙と名称を変更し、戦前の海図用紙は三菱製紙が独占。(三菱製紙六十年史) 昭和十三年より特種製紙も製図用ケント紙の製造を開始。 ケント紙 名刺、製図、カレンダーなどにする紙質の固い画材用紙。イギリス南部ケント州の製紙家により古来生産された手漉き紙に名を発しているが、ケントという銘柄は日本でつけられたもの。(特種製紙五十年史) 回答プロセス:①自館所蔵資料を調査する。 ②レファ協上のケント紙についての項も参考にしてまとめる。 参考資料:特種製紙五十年史 / 特種製紙/ 1976, 参考資料:三菱製紙六十年史/ 三菱製紙 / 1962, 参考資料:更上一層楼 / 三菱製紙 / 1990, 参考資料:三菱製紙百年史 / 三菱製紙 / 1999, 参考資料:ワットマン紙を訪ねて /百万塔 23号  / 高尾尚忠 / 紙の博物館, 参考資料:dictionary and encyclopaedia of paper and paper-making/ E.J.labarre/ Oxford university press/1952, 参考資料:papermaking and the art of watercolor in eighteenth-century britain : Paul Sandby and whatman paper mill/ New Haven and London/ Yale university Press / 2006, 備考:レファ協上の近似事例 「ケント紙の由来について」  http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000109931

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