人物略歴は、参考資料①~⑤にて確認できる。
受賞対象の業績に関する主な論文については、
④『科学者人名事典』に記述されていた論文(1)と
引用回数が最多であった論文(2)を、例として挙げる。
(1)Title : Landmark article (JAMA 1911;56:198).
Transmission of a malignant new growth by means of a cell-free filtrate. By Peyton Rous.
Author : Rous P.
Source : JAMA. 1983 Sep 16;250(11):1445-9. (PMID: 6310170)
(2)Title : A SARCOMA OF THE FOWL TRANSMISSIBLE BY AN AGENT SEPARABLE FROM THE TUMOR CELLS.
Author : Rous P.
Source : J Exp Med. 1911 Apr 1;13(4):397-411. (PMID: 19867421)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2124874/pdf/397.pdf
回答プロセス:【調査戦略】
・ノーベル賞は、ある研究業績に対して与えられる賞なので、該当する論文は1つとは限らないことに注意する。
【回答プロセス】
■人物略歴を調べる
まず、ノーベル賞関連の情報源として思い浮かんだノーベル賞のオフィシャルサイト
①The Novel Prize Official Website(http://nobelprize.org/nobel_prizes/)で、
基本的な人物情報が得られた。
また、KW「ノーベル賞」「受賞」「講演」などでヒットした学内資料
②『ノーベル賞受賞者業績事典』③『ノーベル賞講演生理学・医学』や、
科学分野の人物事典である④『科学者人名事典 』、
総合的な百科事典である⑤The New encyclopædia Britannicaなどでも、人物情報が得られた。
特に、②『ノーベル賞受賞者業績事典』や④『科学者人名事典』には、
受賞対象となった業績に関する記述が詳しく載っており、次の論文検索で役立ちそうだった。
■受賞対象の業績に関する論文を検索する
人物略歴を調べる過程で、論文検索に必要な情報も得られたので、以下にまとめる。
・著者名の英語綴りは、Peyton Rous。
・受賞対象となった業績は、癌原性ウイルスの発見。
・論文の発行年については、②『ノーベル賞受賞者業績事典』に「11年にウイルス(ラウス肉腫ウイルス)によるものと
確認、同年に論文として発表した」と書かれていた。④『科学者人名事典』にも、1911年と書かれていた。
・論文検索のKWについては、受賞対象となった業績は「癌原性ウイルスの発見」だが、
②『ノーベル賞受賞者業績事典』に「彼はこれをウイルスとは呼ばなかった。」との記述あり。
④『科学者人名事典』にも「題はもちろん、文中でもウイルスという言葉を使わなかった」との記述あり。
「ウイルス」はKWとして使えないことが分かった。
さらに④『科学者人名事典』には「1911年、彼はこの仕事を”Transmission of a Malignant New Growth by
Means of a Cell-Free Filtrate.”(細胞を介さない悪性新生物の感染)というタイトルで発表した。」とあり、
具体的な論題も判明した。
以上の情報を元に論文検索を進めていく。
まずは、④『科学者人名事典』に記述されていた論文を探してみる。
論題を、医薬系論文検索DBのPubMedで検索すると、
下記の論文がヒットした。こちらは1983年に発行されたリプリント版であり、
オリジナルは 1911年1月に発行されていた(掲載誌HPで確認)。
無料公開はなし、所蔵館に複写依頼をすれば入手可能だった。
(1)Title : Landmark article (JAMA 1911;56:198).
Transmission of a malignant new growth by means of a cell-free filtrate. By Peyton Rous.
Author : Rous P.
Source : JAMA. 1983 Sep 16;250(11):1445-9. (PMID: 6310170)
次に、発表は1911年であることが判明しているので、この年に発表された他の論文も探してみる。
KWは限定せず、著者名と発行年で検索すると、数件ヒットした。
中でも、下記の論文は、論題から察するに、受賞業績に相当する内容と思われ、
Web of Science(有料データベース)で引用文献検索をしてみると、
ラウスの著した論文の中で最も引用回数が多かった。
こちらは、PubMed Centralで無料公開されている。
(2)Title : A SARCOMA OF THE FOWL TRANSMISSIBLE BY AN AGENT SEPARABLE FROM THE TUMOR CELLS.
Author : Rous P.
Source : J Exp Med. 1911 Apr 1;13(4):397-411. (PMID: 19867421)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2124874/pdf/397.pdf
【結論】
人物略歴は、参考資料①~⑤にて確認できる。
受賞対象の業績に関する主な論文については、
④『科学者人名事典』に記述されていた論文(1)と
引用回数が最多であった論文(2)を、例として挙げる。
参考資料:①The Novel Prize (Official Website)
http://nobelprize.org/nobel_prizes/ (最終アクセス2012/09/19),
参考資料:②ノーベル賞受賞者業績事典 / ノーベル賞人名事典編集委員会編(ISBN:4816917950),
参考資料:③ノーベル賞講演生理学・医学 / ノーベル財団著 ; 川喜田愛郎 [ほか] 編11巻 (1964-1966) (ISBN:4061867717),
参考資料:④科学者人名事典 / 科学者人名事典編集委員会編. (ISBN:462104317X),
参考資料:⑤The New encyclopædia Britannica (ISBN:0852295294),
参考資料:⑥Title : A SARCOMA OF THE FOWL TRANSMISSIBLE BY AN AGENT SEPARABLE FROM THE TUMOR CELLS.
Author : Rous P.
Source : J Exp Med. 1911 Apr 1;13(4):397-411. (PMID: 19867421)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2124874/pdf/397.pdf
(最終アクセス2012/09/19),
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