「人間国宝 千葉あやの」に関する記述はあるものの、「正藍冷染」の技法についての資料は見つからなかった。さとう宗幸氏がナビゲーターのDVD「みやぎ遺産:後世に残したい宮城の遺産」がキーワードでヒットした。こちらのDVDでは染めている様子が映っているかもしれないと所蔵先の宮城県図書館、塩釜図書館を紹介した。「技法が見つからなくてもしょうがない」と納得されている様子ではあったが、こちらももう少しレファレンスを続けてみるとお話しした。
回答プロセス:人物名、染の技法ともにあいまいだったため、まずインターネットで「人間国宝+栗駒」で検索した。「栗駒正藍(しょうあい)冷(ひやし)染(ぞめ)」という技法と「千葉まつ江。人間国宝の祖母千葉あやの」と名前が確認できた。「千葉あやの」「正藍冷染」「冷染」などで蔵書検索した。
後日、質問者より2年前の『すてきにハンドメイド』で見た気がするとの情報を受け調査したところ、2014年9月号p102「美しき藍のリレー 千葉まつ江さん」という記事あり。
尚、当館所蔵資料の『手とてとテ』p58「正藍冷染」の項には簡単な説明とカラー写真が記載されている。また、「正藍冷染」は千葉家の商標登録であり、文化財としては「正藍染」との記載があった。このキーワードで調べたところ、『檀流きもの巡礼』がヒットし、確認するとやはり簡単な説明と写真が載っていた。
『人間国宝シリーズ 20』にはp25-p27白黒写真付きで作業手順が、p34-p35「冷染・正藍染の仕事」の項にも手順の記載があった。
尚、2019年に『むかしのまんま むかしのまんま』栗駒文字千葉家の「正藍染」が発行され、p96-108「千葉家の正藍染ができるまで」に記載があった。
参考資料:『みやぎ工芸美術の歩み』高倉健/著 陶芸美術研究会「陶房酔」 2009年,
参考資料:『手とてとテ』ディー・エム・ピー/編 仙台市 2015年,
参考資料:『檀流きもの巡礼』檀ふみ/著 杵島隆/写真 世界文化社 2012年,
参考資料:『人間国宝シリーズ 20』岡田譲/編集代表 講談社 1978年,
参考資料:『むかしのまんま むかしのまんま』文化伝承叢書 井上英子/聴き書き・編集 笹氣出版 2019年,
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