国立国会図書館デジタルコレクション(以下「デジタルコレクション」)の全文検索機能を利用して、以下のとおり①業界団体名簿・化粧品名鑑類や、②百貨店刊行のPR誌から、それぞれ調べることができます。
なお、「ウビガン」は「Houbigant」、「ウービガン」、「フビガン」、など表記ゆれがあったり、「ンガビウ」のように右から左への表記になっている場合がありますので、キーワードを変えながら検索してください。
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インターネットの最終アクセス日は2024年12月4日です。
① 業界団体名簿や化粧品名鑑類から調べる
資料1および資料2は、化粧品の業界団体が掲載された資料の一例です。明治期には、「東京小間物化粧品卸商同業組合」といった業界団体が存在していたことがわかります。
デジタルコレクションの「キーワード」欄に、資料1、資料2で得られた団体名「東京小間物化粧品卸商同業組合」と、「名鑑」などの言葉を掛け合わせて検索を行うと、同組合員が取り扱う化粧品の名鑑である資料3がヒットします。デジタルコレクションで資料3を表示させ、「全文検索」タブのキーワード欄に「ウビガン」と入力して資料3の全文検索を行うと、明治44(1911)年時点で「佐々木商店」がウビガン香水を扱っていたことがわかります。
資料1
東京小間物化粧品商報社編. 小間物・化粧品 業界年鑑 昭和9年版, 東京小間物化粧品商報社, 昭和9 【14.2ロ-315】*
※「全國組合の沿革・現勢」(pp.112-117(89-91コマ目))の項に、全国の小間物・化粧品業界組合の一覧があります。p.112(89コマ目)に「東京小間物化粧品卸商同業組合」が掲載されており、明治40年に農商務大臣から設置認可を受けていたことがわかります。
資料2
栂坂昌業編. 團體總覧 第2回(昭和9年版), 大日本帝国産業総聯盟団体研究所, 昭和9 【628-14】**
※当時存在した団体約1万数千の情報が掲載されています。第二編経済団体編 第九章商業組合(pp.68-165(258-306コマ目))に「東京小間物化粧品卸商同業組合」(p.142(295コマ目))が掲載されており、設置認可年月などがわかります。
資料3
東京小間物化粧品商報社 編. 東京小間物化粧品名鑑, 東京小間物化粧品商報社, 明44.9 【335-282】*
※pp.34-35(26コマ目)に、「佐々木商店」(東京市京橋区銀座)の広告があります。同商店が代理店として取り扱う欧米製造者の一覧を掲載しており、その1社として「ウビガン」を挙げています。
② 百貨店刊行の「PR誌」から検索する
百貨店PR誌とは、商品知識を啓蒙し商品の販売促進につなげることを目的として、明治30年代頃から各百貨店が発刊した資料です。
デジタルコレクション詳細検索画面の「出版者」検索窓に百貨店名を入力し、キーワード「ウビガン」などと掛け合わせて検索します。一例として、三越呉服店が明治41(1908)年時点で(資料4)、白木屋が1919(大正8)年時点で(資料5)、丸善が大正元(1912)年時点で(資料6)、それぞれウビガン香水を扱っていたことがわかります。
資料4
みつこしタイムス (3), 三越呉服店, 1908-06 【雑23-23】**
※p.7(7コマ目)で、取扱商品として「水香製社會ンガビフ」(「フビガン会社製香水」の右から左への標記)が写真と共に掲載されています。
資料5
白木タイムス 16(7), 白木屋呉服店, 1919-07 【雑50-3イ】**
※p.18(12コマ目)で、取扱商品として「佛国フビガン會社製」である「ローヤルフビガン」および「ゲネローヤル」が写真と共に掲載されています。
資料6
學鐙企画・編集委員会編. 學鐙 16(9)(182), 丸善雄松堂出版, 1912-09 【Z21-176】***
※「丸善洋物概觀、化粧品之部 香水」(42コマ目)において、「ウビガン オーラリヨルス」、「エツセンス」および「ホジヤローヤル」が掲載されています。
国立国会図書館提供調べ方ページ「リサーチ・ナビ」でも、化粧品産業に関する資料を紹介していますので、あわせてご覧ください。
・化粧品・トイレタリー産業について調べるには(統計・名鑑・インターネット情報源等)( https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/business/post_102162 )
備考:経済社会
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