『The Oxford English Dictionary』にも「ligion」という単語は載っていないため、どこで見た単語かをお尋ねする。
「religion(宗教)という単語は、re+ligionという成り立ちではないかと思い、ligionという単語の意味を調べたかった」とのこと。
『スタンダード英語語源辞典』p.425によると、「religion」は古フランス語(9~13世紀頃)の「religion」からの借用語であり、ラテン語の「religiō,religiōnis(神聖な義務、信心深いこと、敬神)」「religāre(固く縛る、後へ結ぶ)」「Re+ligāre(結ぶ)」から派生したとある。
『シップリー英語語源辞典』によると、ラテン語のlegere、lect-(接頭辞がつくと、-ligere、-lect-)の合成語は、非常に豊かな派生語を生み出しているとあり、英語religion(宗教)の語源についても下記のように説明がある。
ラテン語「religens(注意深い、没頭した:ラテン語で「re-」は“再び”)」は「繰り返し繰り返しそれに戻ってくる」ことを表し、この態度が名詞「religio、religion(献心、良心、不安、勤行、拘束力)に表され、英語religion(宗教)の語源となった。また、この語尾に-ous(~に満ちた、の意)をつけたラテン語religious(献身的な心配りに満ちた)から、英語religious(宗教的な)が派生した。
なおラテン語の「ligāre」については、『古典ラテン語辞典』p.426の「ligō」(意味は縛る、結ぶ、一緒にくくる、つなぐ、一致させる、等)の項目に、「現在・不定法・能動相の基本形(~すること)」の表記として記載がある。
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