次の資料に「粟野一平」についての記述があります。
資料1.今泉 篁洲編. 仙台風藻. 1912【K990/イ2】
p.116
「粟野道知
通稱杢右衛門。後改一平。號凌雲。晩號酔翁。資性闊達。不屑小事。豪侠自喜。與四方名士交。文久二年壬戌九月廿九日歿。享年四十九。葬仙台北八番丁江巌寺。」
資料2.仙台市編. 仙台市史. 第1巻. 1929【K225/セ1-3/1】
p.794
「粟野道知
粟野道知、杢右衛門と稱し、後一平と改め、凌雲と號し、晩に酔翁と曰う。資性闊達にして小事に拘泥せず、豪侠自ら喜ぶ。四方の名士と交はり、其名時流を壓す。文久二年九月廿九日歿す。享年四十九。仙台北八番丁江巌寺に葬る(仙台人物史)」
文末に「仙台人物史」とありましたので、調査しましたところ資料3に「粟野一平」についての記述がありました。
資料3.今泉 寅四郎著. 仙台人物史 仙台近古史談. 早川活版所, 1909【K280/イ1】
p.162「那珂梧楼」の項に「粟野一平」についての記述があります。
「(略)藩士粟野一平ハ卓犖快豁の人ナリ深く梧楼ノ人トナリヲ愛し其女ヲ以テ之ニ妻ハス當時一平樞職ニ参シ大イニ権威アリ而テ落魄ノ一書ニ許ス其ノ女ヲ以テス(略)」
資料4.菊田 定郷著. 仙台人名大辞書. 仙台人名大辞書刊行会, 1933【K280/キ1】
p.47
「アワノ・イッペー[粟野一平]
藩士。諱は道知、杢右衛門と称し、後に一平と改め、凌雲と号す、晩に酔翁と曰ふ、(略)南部の名士那珂通高を愛し、女を以て之に妻はす(略)文久2年(1862)9月29日死す。享年49、仙台北八番丁江巌寺に葬る。」
とありますので、
「粟野一平」「道知」「杢右衛門」「凌雲」「酔翁」「那珂通高」および「石巻」「吉田松陰」をキーワードに「宮城県内公共図書館所蔵郷土関係論文目録検索」「宮城県図書館蔵書検索」を調査したところ次の資料に記述がありました。
資料5.千葉 賢一著. 石巻ふるさと人物事典. ヤマト屋書店, 1997【K280/987】
p.13(抜粋)
「粟野杢右衛門 あわの もくえもん (1815-1862)
杢右衛門は、文化11年6月8日仙台の土橋通りに生まれています。のちに一平と改め、凌雲・酔翁と号しました。天保(1830-1843)年間に仙台藩に出仕して、のちに津方の役人となっています。しかし、職を捨てて石巻にすむようになります。和漢に通じ、豪放磊落な性格は人を寄せ、北村の遠藤温・仙台の岡千仭・とくに南部藩士であった那珂通高とは親しく、妹をとつがせています。文久二2年9月29日、49歳で亡くなりました。仙台北八番丁の江巌寺に葬られています。(参 仙台人名大辞書・仙台市史7・仙台風藻)」
文末に「仙台市史 7」とありましたので、仙台市史を調査いたしましたところ、資料6に「粟野道知」について記述がありました。
資料6.仙台市史編纂委員会編. 仙台市史 7. 1953【K225/セ1-3/7】
p.290「江巌寺」の項に「有名人の墓碑」として次の記述があります。
「粟野道知墓(藩士、文久二没、四九)」
資料7.千葉 賢一著. 全訂・年表による石巻の歴史. ヤマト屋書店, 1996【K253.3/967】
p.240「那珂通高」の項に「粟野杢右衛門」についての記述があります。
「(略)通高が石巻で滞在していたところは、仙台藩大番士 粟野杢右衛門の家です。(略)」とあります。
資料8.仙台郷土研究会編.仙台郷土史研究. 通巻242号(1991.6)【PK201/セ】
p13より「大番士(おおばんし)」とは、仙台藩の戦闘主力分団である大番組(おおばんくみ)に入っていた者のことです。
資料9. 石垣 宏[ほか]著 石巻まるごと歴史探訪. ヨークベニマル, 2000【K253.3/007】
pp.110-111「国道三九八号線に沿って(17)吉田松陰の宿所跡」の項に次の記述があります。
「(略)坂下町の旧町名碑から、永巌寺への通路、永巌寺の参道を進むと、右手に映画館日活パール劇場があります。ここは幕末に、仙台藩士粟野杢右衛門の邸宅があって、嘉永五年(1852)五月十六日に東北遊歴の途中、宮部鼎蔵とともに吉田松陰が一宿したといわれ、吉田松陰の宿泊跡の文化財説明板があります。(略)粟野邸に一泊した二人は日和山からの眺望を楽しみ、粟野邸の庭園「合歓園」を嘆賞したといわれています。」
「粟野致知」については、上記キーワードに「粟野致知」を加え「宮城県内公共図書館所蔵郷土関係論文目録」「宮城県図書館蔵書DB」 を調査しましたが、該当資料はありませんでした。
<追記>
近畿大学中央図書館様より,コメントをいただきました。(2013年01月16日)
***************
Google Booksで検索してみました。
http://www.google.co.jp/search?q=%22%E7%B2%9F%E9%87%8E%E8%87%B4%E7%9F%A5%22&btnG=%E6%9B%B8%E7%B1%8D%E3%81%AE%E6%A4%9C%E7%B4%A2&tbm=bks&tbo=1&hl=ja (2013/01/16確認)
この情報をもとに、当館に所蔵があった下記文献を調査しました。
政治・行政・財政 / 仙台市史編さん委員会編 [本編] [仙台] : 仙台市. - 仙台 : 宮城県教科書供給所 (発売) , 2006 (仙台市史 / 仙台市史編さん委員会編 ; 資料編8 ; 近代現代4)
p.23
仙台県職員録
一八七一年(明治四)八月
権大属
一、官録 北海道開拓係 粟野致知
新札幌市史 / 札幌市教育委員会編 第7巻: 史料編2 札幌 : 北海道新聞社 , 1986
ISBN:4893631411
p.112
明治四年
八一 仙台藩より職人呼寄の件 (六月二三日)
仙台藩権大属 粟野致知の署名がある文書が収録されていました。
既に、ご確認済かもしれませんが、ご参考になれば幸いです。
***************
近畿大学中央図書館様より,コメントをいただきました。(2013年01月19日)
***************
ご指定の文献ではありませんが、粟野一平に関する情報が下記文献にもありましたので
お知らせいたします。
宮城県の地理と歴史 / 地域社会研究会編 [仙台] : 東北大学教育教養部歴史研究室地域社会研究会, 1956
宮城県の地理と歴史 2 / 東北大学地域社会研究会編 東京 : 国書刊行会, 1982 (複製)
p.283
江帾五郎と涌谷 佐々木敏雄
p.284-285
粟野杢右エ門(一平と改む)・・・
東洋学事始 : 那珂通世とその時代 / 窪寺紘一著 東京 : 平凡社, 2009 ISBN:9784582834260
p.33-35
p.318 那珂(江帾)家 系図
***************
↧