当館所蔵資料『修学院行幸絵巻』(当館請求記号:ん-184)についての照会事項に回答します。この資料はデジタル画像が「国立国会図書館デジタル化資料」に収録されています(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2610990)。各軸について言及する際にはデジタル画像に便宜的に付した分冊番号を用いて示します。
(1) 包紙、箱等への記載事項
資料は紙箱に2軸揃えて納められています。軸ごとに二つ折りにした和紙を外側に巻いていますが、この和紙には文字情報がありません。紙箱の蓋には請求記号ラベルと「修学院行幸絵巻 二巻」と墨書した題簽が貼付されています。紙箱の底には製本控の伝票が貼りつけてあり、「ん」函「184」號「修學院行幸繪巻」「2軸」と記されています。
(2) 成立年代、筆者について
成立年代、筆者に関する情報は見当たりませんでした。ただ、第[1]軸の第5紙裏面(デジタル画像3コマ目)に「原在中下図」と朱筆の書入れがあります。この書入れが何を根拠に誰が記したものかは不明です。文献1によれば、原在中(1750-1837)は江戸時代後期の絵師(名は致遠、字は子重、号は在中、臥遊)です。
(3) 旧蔵者、伝来について
巻頭の蔵書印「帝國圖書館藏」により当館が資料を引き継いだ帝国図書館の時代から所蔵していたとわかります。また、昭和11年1月から昭和15年12月までに増加した和漢書を収録する文献2に「修学院行幸絵巻 原在中画 写 二軸 ん一八四」との記載があるので、この時期に帝国図書館の収蔵となったものとわかります。それ以前の旧蔵者、伝来に関する情報は見当たりませんでした。
(4) 大きさ(長さ)
60cmは紙高(縦の長さ)です。各軸の全長のおおよそを示しますと、第[1]軸は2,352cm、第[2]軸は2,438㎝となります。
文献1:国史大辞典編集委員会編『国史大辞典.第11巻(にたーひ)』(吉川弘文館、1990.9)pp.699-700(当館請求記号:GB8-60)
文献2:『帝国図書館和漢図書書名目録:国立国会図書館蔵書目録.第6編(自昭和11年1月至昭和15年12月増加)』(国立国会図書館、1962)p.662(当館請求記号:029.1-Ko5486t2)
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