次の資料に「嫁楽観音」に関する記述あり。
・さぬき三十三観音霊場 補陀洛への旅 春秋社/編 春秋社 1979
※p.83-85「第23番 宝珠山悲願院地蔵寺」の中に「嫁楽観音」について次の記述があります。
「霊場本尊准胝観世音菩薩は、江戸初期の像容で三目十八臂。信仰すれば、長患いでず、下の世話をかけることもなく、安楽に極楽に行けることから「嫁楽(よめらく)観音として尊崇されて来た。密教では胎蔵界曼荼羅の蓮華部の仏母であるといわれ、蓮華部諸尊の能生(のうしょう)の母として広大な徳を備え、特に延命の功力があるとして広く信仰されている。准胝観音を准胝仏母とするのもこれによるもので、当時の観世音は、延命の後に安楽死できるご利益をあずかっている。」
・さぬき三十三観音霊場巡り 雑誌四国/編 雑誌四国
※p.48「第23番 宝珠山 地蔵寺」の中に「嫁楽観音」について次の記述あり。
「霊場本尊の准胝観音は、信仰すれば、長患いせず、下の世話をかけることなく、ポックリ死ねるということで、俗に「嫁楽観音」と呼ばれている。」
・さぬき三十三観音霊場 読売新聞高松支局/編 読売新聞高松支局 1979
※p.25「第23番 地蔵院」の中に「嫁楽観音」について次の記述あり。
「霊場本尊の准胝観音は、寝たきりにならず、長命し安楽に往生できる別名「嫁楽観音」俗にいう「ぽっくり観音」。」
回答プロセス:次の資料に地蔵寺に関する記述はあったが、「嫁楽観音」についての記述はなかった。
・高瀬町誌 高瀬町誌編集委員会/編 高瀬町 1975.3
・高瀬町史 民俗・自然編 高瀬町/編 高瀬町 2003.12
なお、当館所蔵の郷土資料で、嫁いらず観音・地蔵尊信仰に関するものは確認できなかった。
※当館所蔵なしだが、次の出版情報を確認。
・ポックリ信仰 長寿と安楽往生祈願 松崎憲三/著 慶友社 2007.5(慶友選書)
日販マーク内容紹介:「健康で長生きし、安らかに往生をとげたい」という願い、介護する者・される者の切実な思いで、今なお各地の人々に根強く支持されているポックリ信仰。各地のポックリ信仰を紹介するとともに、その実相に迫る。」
【主要目次】
Ⅰ 祈願の諸相
木村博氏とポックリ信仰/御座の石ぼとけ/興正寺の大随求明王/洞慶院の鳥瑟沙磨明王/小山町の足柄聖天堂
Ⅱ 巡拝習俗をめぐって
長谷堂のコロリ観音・三宝岡の生き如来/立木観音・鳥追観音・中田観音
Ⅲ ポックリ信仰の消長
龍泉寺の水崎観音・駒形長寿観音堂/牛込のお釈迦様・ポックリ不動尊
Ⅳ 地蔵とポックリ信仰
コロリ地蔵・イビダレ地蔵/一願一言地蔵・梯子地蔵
Ⅴ 阿弥陀とポックリ信仰
真如堂のお十夜念仏・庚申堂のコンニャク封じ/腰巻のお寺(吉田寺)・恵心さんのお寺(阿日寺)・傘堂
Ⅵ 那須与一とポックリ信仰
即成院と那須与一/瑞祥寺の那須与市大権現
Ⅶ 嫁入らず(嫁楽)観音
梶草の嫁いらず観音/久賀の嫁いらず観音と上勝間の嫁楽観音
Ⅷ 保久俚(利)大権現をめぐって
鬼無の保久俚大権現/長志の保久俚大権現
ポックリ信仰関連施設一覧
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次の資料に掲載なし。
・観音総鑑 久野健/編著 新人物往来社 1986.4
事前調査事項:塚本哲、松崎憲三、木村博などの本はすでに調査し終えている、とのこと。
(当館所蔵)
・仏教民俗学大系 1 仏教民俗学の諸問題 名著出版 1993.3
※現代人と「ポックリ」信仰(木村博著)
寄与者:秋田県立図書館
備考:(関連事例)
・湯沢市院内にある愛宕神社の「コロリ地蔵」の台座に三猿が彫ってある理由が知りたい。(秋田県立図書館)
http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000104852
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