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埼玉県の地名について調べる(埼玉資料編④) 埼玉県立浦和図書館 調(しらべ)第20号(埼玉県立久喜図書館)

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◆テーマ 郷土の歴史を振り返る時、古くから伝わる地名や地名の変遷について関心をもたれる事も多いでしょう。 今回は埼玉資料室の資料から「埼玉の地名」についての調べ方をご案内します。 1 基本的な資料から調べる i事典などをから調べる                                      『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』(角川書店 1980) 古代から現代までの地名が五十音順に配列になっている「地名編」、市町村ごとに立地や沿革などを解説した「地 誌編」、資料編からなる。「地名編」では、各地域の解説とその文献が記述されている。資料編には今はない小字 を知りたい時に参考になる「小字一覧」や市町村合併を表にした「市町村沿革表」などがあり、地名調査に便利。 『埼玉県の地名 日本歴史地名大系 11』(平凡社 1993) 項目が郡別市町村別になっており、各地域の解説がある。文中に典拠となっている資料名が掲載されているため、 調査の手がかりになる。「五十音索引」「難読地名一覧」がある。巻末に「行政区画変遷・石高一覧」があり、 江戸時代前期から現在の行政地名の変遷と江戸時代の各村の石高が掲載されています。 『さいたまの地名 埼玉ふるさとシリーズ 4』(埼玉県県民部県民文化課 1983) 項目が市町村別になっており、各市町村から「現市町村名」「各市町村に残る由緒ある地名」「現在公的には使わ れていないが、歴史的に価値ある地名」の一部の由来を解説している。「難解な地名」の読み方を掲載した項目 もあります。 『埼玉県地名誌 名義の研究』(韮塚一三郎著 北辰図書 1969) 『新編武蔵風土記稿』、『武蔵国郡村誌』所載の16郡名と約2千の宿町村名の名義の研究をまとめたもの。項目 が市町村別になっており、各市町村にある地名の起源や由来が掲載されています。巻末に索引あり。 i時代を追って調べる                                      -江戸- 『新編武蔵風土記稿 全12巻、索引編』(蘆田伊人編集校訂 雄山閣 1996) 徳川幕府が文化7(1810)年~文政11(1828)年に編纂した武蔵国の地誌。各村にある山、川、寺社なども 掲載され、当時の村の状況を知る上で欠かせない資料。由来が掲載されている地名もあります。 -明治- 『武蔵国郡村誌 全15巻』(埼玉県編 埼玉県 1953-1955) 明治8(1875)年の太政官布告により全国で行われた地誌編纂により、埼玉県が地理寮に提出したもの。明治 初期の各村の状況がわかります。 -昭和- 『埼玉県市町村誌 全20巻』(埼玉県教育委員会 1972-1980) 明治9(1876)年~昭和45(1970)年頃までを対象とした、各市町村の地誌で、市町村ごとの項目になって いる。近世の領有関係と町村施行までの行政区画が表になっており、市町村合併がわかりやすい。地名について、 昭和45年当時の大字・町名の一覧や字の廃止の一覧が掲載されています。 2 市町村史から調べる 市町村では、地域の歴史をまとめた市町村史を発行しており、地名について記載されているものもあります。 『郷土の地名 志木市史調査報告書』(志木市総務部市史編さん室編 志木市 1988) 市内の各地区ごとに小字・小名・通称などについて五十音順に解説している。「第6章地名の意味」では、「地形 地名」「交通・集落地名」「動植物地名」「歴史地名」など12種に分類した各種地名の解説がある。巻末に地名索引。 『飯能市史 資料編 11 地名・姓氏』(飯能市 1986) p3-175「飯能の地名」の章に「地名の変遷」「地名と生活」「地名と資料」「大字・小字」等に、歴史的地名から 現在の地名の解説や由来、文献などが掲載されています。 i民俗編や伝説から調べる                                      市町村史の民俗編には、地名にまつわる伝説や由来話等が掲載されていることがあり、参考になる資料です。 『大宮市史 第5巻 民俗・文化財編』(大宮市 1969) p532-628「伝説と巷説」には、「指扇」「膝子」などの地名の由来を掲載しています。 『大井町史 民俗編』(大井町 1985) p393-402「伝説」には、「大井」の由来など地名の由来が記載されています。 ※市町村史だけでなく、伝説や民俗の資料には地名にまつわる伝説などが記載されているものもあります。 『秩父の伝説 -語り継ぐふるさとへの想い-』(秩父市教育委員会 2007) 川や峠、村などの地名にまつわる伝説が収録されています。 3 市町村合併について調べる 市町村合併によって地名は変わったり消滅したりします。明治から平成の大合併まで調べるための資料です。 『埼玉県市町村合併史 上・下 付録』(埼玉県 1960) 上巻総説、下巻各論からなる。上巻には古代前期からの地方自治制度の改革と、明治初年からの町村合併の概要を。 下巻は市町村ごとに概要と明治から昭和の各合併について記述。合併の様子を表した表や現市町村名を付記した 旧町村名の索引がある。付録は、地図5枚「埼玉県管内図 明治20年2月」「埼玉県管内図 明治22年4月」「戦時中における市町村合併計画図」「町村合併試案図 明治29年2月」「町村合併状況図 昭和35年1月」。 『埼玉県の市町村合併 ‐「平成の大合併」の現状と課題‐』(埼玉県企画財政部地域政策課 2011) p7-11「本県における「平成の大合併」の状況」の章に、図表「県内の市町村合併の状況」や「県内合併一覧表」 などが掲載されています。 『埼玉県統計年鑑 平成22年』(埼玉県 2011) 第1章-5「市町村の廃置分合等の沿革」の項では、各市町村の合併、境界変更等の状況が一覧でき、わかりやすい。 4 雑誌から調べる i埼玉県に関する雑誌から調べる                                     県内の博物館の研究報告や郷土史の研究会の会誌には、地名について論文が掲載されているものがあります。 ☆「埼玉関係雑誌記事索引」※埼玉資料室内のパソコンでのみご利用いただけます。 県立浦和図書館で所蔵する埼玉関係雑誌に掲載された「記事」を探すことができます。 (例えば) 「論題」に〈浦和〉と〈地名〉を入れて検索すると下記の記事が見つかります。   ・「古文書・古記録に見られる中世の浦和市域の地名について」(『浦和市立郷土博物館研究調査報告書 8』 1981.3)   ・「〈埼玉の地名〉浦和を考える」(『ほくしんホームスタディ 6』 1976.10) ※『調(しらべ)』のバックナンバーもご参照ください。 https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/reference/shirabekata.html 第17号「地域通貨について調べる」 第18号「高齢者の在宅介護ついて調べる」 第19号「埼玉県の経済動向について調べる」

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