「たまほこの みちゆく人に ことづけて やまもも おくれ しらかわの人」という歌が須磨の歴史の本（タイトル不明、区役所が編集）に載っており、この歌は新勅撰和歌集に所収で、作者は藤原定家だと書かれている。そこで『新編国歌大観』の勅撰集編や『新勅撰集総索引』を見たがこの歌は載っていない。この歌の出所はどこか。本当に作者は藤原定家なのか。(神戸市立中央図書館)

出典・作者共に不明。 回答プロセス:・『新編国歌大観』勅撰集編（9111=L3=、RR）、『新勅撰集総索引』（91114=L2=、S8）に載っていない。 ・当館広報誌『KOBEの本棚』第62号（平成21年7月20日発行）の表紙コラム「楊梅（やまもも）の里 白川」に下記の記述あり 「玉ほこの道行く人にことつてて 楊梅おくれ白川の人 権中納言定家」 「ただ、藤原定家の歌として『西摂大観』に所収されているこの和歌は、定家の歌集には見つかりません。後世の人が、定家によせて詠んだのではないかという説もあります。」 ・『西摂大観』郡部（002=3=3、HA）の白川村の項目の「楊梅献上」p.19 「[新勅] 玉ほこの道行く人にことつてゝ 楊梅おくれ白川の人 権中納言定家」 ただし、出典の記述は無し。 ・『神戸の史跡』（神戸市教育委員会編、0012=229、10A）の「白川町と楊梅」p.234 「『新勅選集』の藤原定家の「玉ほこの道行く人にことづてて 楊梅おくれ白川の人」の歌は、よくこの村の旧事を伝えている。」 ただし、出典の記述は無し。 参考資料:『新編国歌大観』勅撰集編（角川書店）, 参考資料:『新勅撰集総索引』（滝沢貞夫編、明治書院、1982）, 参考資料:『KOBEの本棚』第62号（神戸市立中央図書館、平成21年7月20日発行）, 参考資料:『西摂大観』郡部（縮刷版、明輝社、1965）, 参考資料:『神戸の史跡』（神戸市教育委員会編、神戸新聞出版センター、1981）,