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古典文学で、桃の花と梅の花が同時に咲いているのを見て、自分の身の上になぞらえて興ざめだと述べるような内容のものを昔読んだ記憶がある。これをもう一度見てみたい。(豊中市立図書館)

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完全に該当するものは発見できず。徒然草第139段に、遅咲きの梅が桜に咲き合ったものは誰からももてはやされないし桜に圧倒される、という内容があり、こちらをご紹介した。また『国歌大観』より、梅・桃を含む和歌もごらんいただいた。 回答プロセス:和歌の可能性が高いとのこと、『和歌植物表現辞典』(東京堂出版)p345-348「桃」、p47-53「梅」を調べるが、取り上げられている和歌には該当のものはない。 国会図書館リサーチ・ナビ「和歌・俳句の検索」http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-101081.php および「物語のキーワードから文学作品を探す」http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-101124.php を参照し、データベース検索等を行うが、利用者の求める内容のものは発見できず。 『和歌植物表現辞典』によると、桃を取り扱った和歌は梅に比べ少ないとのこと。『ものと人間の文化史 157 桃』(法政大学出版会)の内容を確認する。万葉集における桃、平安期主流の和歌における桃についての項があり、後者のp69には、桃園に関連して梅の花を詠った拾遺和歌集の2首についての言及があり(歌番17・1007) 『新日本古典文学大系 拾遺和歌集』(岩波書店)で内容を確認するが、利用者がお探しの内容ではない。『新日本古典文学大系 八代集索引』で「桃」を、CD-ROM『新編 国歌大観 Ver.2』のキーワード「梅」+「桃」(漢字・ひらがな双方を検索)を調べ確認するが同様。 Googleで「梅の花 桃の花 興ざめ 古典」で検索すると、徒然草・枕草子に関するサイト等がヒットする。これをもとに調べると、『徒然草 付現代語訳』(角川書店)のp118-119、第139段「家にありたき木は・・・」に、「おそき梅は、桜に咲きあひて、覚えおとり、けおされて、枝にしぼみつきたる、心うし」との文があり。p286-287の現代語訳によると、「遅咲きの梅は、桜と一緒に咲き合ったりして、誰からももてはやされないし、桜に圧倒せられて、枝にしぼんでついたりしているし、嫌なもんだ」とのこと。発見した中で最も近い内容であったこちらをご紹介した。 また、『新編 国歌大観 Ver.2』のキーワード「梅」+「桃」の検索結果も、合わせてごらんいただいた。 参考資料:『徒然草』[吉田 兼好/著](角川書店),

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