(1)大学図書館における著作権問題Q&A (第8版)2012.3.23
http://www.janul.jp/j/documents/coop/copyrightQA_v8.pdf
p.51に次の情報あり。
「Q105:図書館で展示会をする際、展示資料(図書館所蔵資料の一部分)のコピーをパネル化したいのですが可能でしょうか。
A: 展示会の展示に相当の創作性があり、当該展示の全体が著作物であると解釈され、なおかつ、複製が正当な範囲内であるならば、出所の明示(法 48 条)を条件に引用(法32 条 1 項)として、無許諾での複製が認められる余地があると考えられるものの、展示会は展示物そのものを見せることが目的であることが多く、引用の要件を満たすことは困難と考えられます。
また、資料そのものがあるにもかかわらず複製しなければならないことの必然性や、複製した著作物の展示全体に対する必然性などをめぐって係争に及ぶことも考えられますので、事前に許諾を得ておくことが望ましいでしょう。 」
(2)国立国会図書館ホームページの
トップページ >サービス概要 >複写サービス
http://www.ndl.go.jp/jp/service/copy.html
にある。次のPDFファイルが参考になると思われる。
・国立国会図書館所蔵資料の掲載/展示/放映/インターネット・ホームページ等への掲載を希望される方へ((2013.2.1 改訂) )
http://www.ndl.go.jp/jp/service/copy_publication.pdf (最終確認:2014/10/30)
次のような記述あり。
「当館所蔵資料の複写物を掲載、展示、放映又はインターネット・ホームページ等への掲載に使用する場合には、当館の許可が必要です。包装紙やパッケージ、商品への掲載等はご遠慮いただいております。・・・
・・・
展示:展示会の資料としての使用する場合は、展示許可申請書の提出が必要です。ビデオ等に収録して展示ブースに流す場合や、講演会のスライドで流す場合も含めます。
・・・
<申請する前に>
・・・
3 著作権の確認を行ってください。
複製権、上映権は著作権者が専有する権利ですので、著作権が存続中(原則として、個人による著作物の場合は著作者の死後 50 年まで、団体名義による著作物の場合は公表後 50 年まで)の資料を使用する場合は、一部分の利用であっても、著作権者の許諾書(記名及び押印のあるもの)を申請時に添付していただきます。
・・・
<複写物の利用条件>
・ 当該資料が国立国会図書館所蔵である旨を明示してください。
・ 著作権法上の問題が生じた場合は、申請者がその責任を負うこととなります。
・ 申請書に記載された目的以外の目的には使用しないで下さい。他の目的に使用する場合はその都度申請を行ってください。
・ プライバシーその他の人権に十分に配慮してください。第三者との間に問題が生じた場合は、申請者がその責任を負うことになります。・・・」
(3)茨城県立歴史館より次の情報をいただいた。
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著作権ではありませんが,図書に掲載されている肖像画や古文書等の画像をパネル化する場合は,資料の所蔵者(保管者)への確認も案内した方がよいと思います。
博物館等では,所蔵(保管)資料の画像利用,翻刻・出版等をする際に,許可を必要とすることが多いです。
寄託資料の場合は,寄託者の承諾が必要な場合もあります。
ちなみに,当館では閲覧許可証を作成する際に次のように案内しています。
「論文・書籍・インターネット等へ当館収蔵資料の画像を掲載する場合,資料そのものを転載・翻刻する場合は,改めて「出版掲載等許可申請」手続きが必要です。掲載する前にご相談ください。」
相談があった場合は,個々のケースに合わせて必要な手続きを案内しています。
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寄与者:茨城県立歴史館
備考:著作権関係事例
(追記)
著作権なるほど質問箱 著作権Q&A(文化庁)
http://chosakuken.bunka.go.jp/naruhodo/index.html
に次の情報あり。
Q 図書館で、図書館資料を利用した展示会を開催する際に、見学者が見やすいようにするために、資料を複写したものを展示することはできるでしょうか。
http://chosakuken.bunka.go.jp/naruhodo/answer.asp?Q_ID=0000509
A 一般に著作権者の了解が必要です。
図書館の利用者の求めに応じてコピーを提供する場合や図書館資料の保存のために必要な場合等は、著作権者の了解なしに図書館資料をコピーできますが(第31条)、質問のような場合は、この特例に該当しません。
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