Quantcast
Channel: レファレンス協同データベース
Viewing all articles
Browse latest Browse all 152622

第二次世界大戦時に日本が生存圏というものを設定し、それをもとに侵攻を行った。その「生存圏」の範囲を示した地図が見たい。 「生存圏」とは、日本が国として存続していくために最低限必要な領土の範囲を示したものだったと記憶している。(千葉県立西部図書館)

$
0
0
「生存圏」の範囲を示した地図は下記資料に掲載が見つかりました。 【資料1】『赤旗 縮刷版(CD-ROM) 2006年9月号』9月20日紙面 【資料2】『赤旗 縮刷版(CD-ROM) 2006年10月号』10月7日紙面 「生存圏」の範囲の記述については下記資料に見つかりました。 【資料3】『日本外交年表並主要文書 1840-1945 下』(外務省編 原書房 1978)p.450「日伊枢軸強化に関する件」 「皇國ノ大東亞新秩序建設ノ爲ノ生存圏ニ就テ」として、"獨伊トノ交渉ニ於テ皇國ノ大東亞新秩序建設ノ為ノ生存圏トシテ考慮スヘキ範圍ハ日滿支ヲ根幹トシ舊獨領委任統治諸島、佛領印度及同太平洋島嶼、秦國、英領馬來、英領ボルネオ、蘭領東印度、ビルマ、濠洲、新西蘭竝ニ印度等トス 但シ交渉上我方カ提示スル南洋地域ハビルマ以東蘭印ニューカレドニア以北トス尚印度ハ之ヲ一應「ソ」聯ノ生存圏内ニ置クヲ認ムルコトアルヘシ"とあります。 【資料4】『大東亜戦争全史 明治百年史叢書』(服部卓四郎著 原書房 1979)p.24「日独伊枢軸強化に関する四相会議」 「皇国の大東亜新秩序建設の為の生存圏に就て」として、"独伊との交渉に於て皇国の大東亜新秩序建設の為の生存圏として考慮すべき範囲は日満支を根幹とし旧独領委任統治諸島、仏領印度支那及同太平洋島嶼、秦国、英領馬来、英領ボルネオ、蘭領東印度、ビルマ並に印度とす但し交渉上我方が提示する南洋地域はビルマ以東蘭印、ニューカレドニヤ以上とす尚印度は之を一応ソ連の生存圏内に置くを認むることあるべし"とあります。 【資料5】『「大東亜共栄圏」経済史研究』(山本有造著 名古屋大学出版会 2011)p.71 "独伊トノ交渉ニ於テ皇国ノ大東亜新秩序建設ノ為ノ生存圏トシテ考慮スヘキ範囲ハ日満支ヲ根幹トシ旧独領委任統治諸島、仏領印度(支那‐山本)及同太平洋島嶼、秦国、英領馬来、英領ボルネオ、蘭領東印度、ビルマ、濠洲、新西蘭竝ニ印度等トス 但シ交渉上我方カ提示スル南洋地域ハビルマ以東蘭印ニューカレドニア以北トス 尚印度ハ之ヲ一応「ソ」聯ノ生存圏内ニ置クヲ認ムルコトアルヘシ"とあります。 上記の3つの資料で表記に違いがあります。 (インターネットの最終アクセス:2014年8月27日) 回答プロセス:「生存圏 - Wikipedia」 (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E5%AD%98%E5%9C%8F) アドルフ・ヒトラーが著書『我が闘争』の中で「生存圏」という言葉を使ったとある。第二次世界大戦時の日本の生存圏についても記述があるが、具体的な範囲や地図はない。 当館OPACで「全項目:生存圏」で検索 生物の生存圏に関する資料が多くヒットする。 『国史大辞典 8 す-たお』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1987)に「生存圏」の項なし。 『日本歴史地図』(西岡虎之助監修 全教図 1977)にも掲載なし。 その他、『世界大百科事典 15 スク-セミ 改定新版』(平凡社 2007)、『日本近現代史辞典』(日本近現代史辞典編集委員会編 東洋経済新報社 1978)など百科事典・歴史辞典を確認するが「生存圏」の項なし。 当館開架資料を「210.75:太平洋戦争」「319:外交」「39:国防・軍事」を中心にブラウジングするが、資料みつからず。 中央・東部から取寄せて確認したが掲載のなかった資料。 『地図で読む戦争の時代 描かれた日本、描かれなかった日本』(今尾恵介著 白水社 2011) 『世界に開かれた昭和の戦争記念館 全5巻』(「昭和の戦争記念館」刊行会編 展転社 1999-2002) 『大東亜戦争を考える 上・中・下 戦争の歴史検証 改訂新版』(中村一男著 未来文化社 2000-2002) Google画像検索で「生存圏 地図」で検索すると、日本周辺の地図も数件ヒットする。 「遊就館(ゆうしゅうかん)の展示/JCP特集2005」 (http://www.jcp.or.jp/tokusyu-05/09-yasukuni/index2.html) 「日本の戦争―領土拡張主義の歴史/不破哲三さんに聞く/第3回 三国同盟と世界再分割の野望」 (http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-09-20/2006092025_01_0.html) "1940年9月16日、大本営政府連絡会議決定「日独伊枢軸強化に関する件」にもとづき作成"というキャプションあり。出典として【資料3】をあげている。しんぶん赤旗2006年9月20日の記事のようなので原資料を確認。 当館では原紙は廃棄済み。G-Searchではテキストのみ閲覧可能で、図は見ることができない。 『縮刷版CD-ROM』を県立中央図書館で所蔵しているので確認したところ、地図も掲載あり。 改めて上記の棚をブラウジングすると【資料4】に「生存圏」の範囲についての記述が見つかる。 参考資料:【資料1】『赤旗 縮刷版(CD-ROM) 2006年9月号』(日本共産党中央委員会)(0105953635), 参考資料:【資料2】『赤旗 縮刷版(CD-ROM) 2006年10月号』(日本共産党中央委員会)(0105967980), 参考資料:【資料3】『日本外交年表並主要文書 1840-1945 下』(外務省編 原書房 1978)(1100188313), 参考資料:【資料4】『大東亜戦争全史 明治百年史叢書』(服部卓四郎著 原書房 1979)(1100726046), 参考資料:【資料5】『「大東亜共栄圏」経済史研究』(山本有造著 名古屋大学出版会 2011)(0106294367),

Viewing all articles
Browse latest Browse all 152622

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>