石山寺は大津市石山寺一丁目にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「奈良~室町時代までの経典をあつめた一切経で、4644帖と付属分199巻が重要文化財に指定されている。おおむね写経であるが、一部版経も交える。中心をなすものは、院政期(11世紀半~12世紀)のもので、約65%をしめる。これは僧念西が1148年(久安4)一切経書写の発願(ほつがん)を行い、整備をおしすすめたことによるとおもわれる。さらに念西は古写経の収集にも着手し、彼の手であつめられたものが、奈良~平安中期書写のなかに多く存在すると考えられる。最古の年記銘は730年(天平2)の『瑜伽師地論(ゆがしちろん)巻二十一』で、これ以降奈良写経の優品が数多くふくまれる。これらのなかには、白点・朱点・角筆点(かくひつてん)(象牙などの箸状のもので押さえつけてしるす点)を持つものも多い。漢文訓読法の研究に重要な資料となる平安時代の加点も見られる。また訓点も当時の和語の研究には極めて貴重なものである。重要文化財。(土井通弘)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.33,
参考資料:
2 石山寺の研究 石山寺文化財綜合調査団∥編 法蔵館 1981年 5-1811- 81,
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