熊野神社は草津市平井町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)この熊野神社には本地堂(ほんちどう)が本殿にむかって左側にあって、熊野十二所権現のうち九所の熊野権現の本地仏がまつられている。熊野十二所権現とは本宮・速玉・那智の三所を中心に、五所と四所の明神がくわわった神々で、平井町の熊野神社には中心の三所は完存するが、五所の児宮と子守宮、四所の一万宮・十万宮をうしなって九所の本地仏となっている。三所の速玉宮本地薬師如来は坐像であるが、他の諸神はすべてが立像となっている。薬師如来は像高が82.9cm、他の立像の諸尊は約100cm前後で、平安末期の流れをくんだ鎌倉初期の造像で、熊野十二所本地仏の彫像としてはこれに先行する他例をみない。十二所が完備していないのは明治初年の神仏分離令で、一部を焼いたのが原因とされる。市指定文化財。(宇野茂樹)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.223,
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