汐留にあった仙台藩邸について、江戸時代の様子がわかる資料は、次のようなものがある。
『江戸の武家屋敷』
p.11-27「大名屋敷の外観・風景 仙台藩伊達家上屋敷から」に、以下の記述がある。
仙台藩伊達家はおよそ62万石の外様大名で、現在の港区東新橋一丁目に上屋敷を所有した。この地は1641年(寛永18)下屋敷として拝領し、1676年(延宝4)から明治維新後に収公されるまで上屋敷として存続した。同邸跡は、隣接する龍野藩脇坂家上屋敷跡(北側)・会津藩松平家中屋敷跡(南側)と合わせ、「汐留遺跡」として発掘調査が行われた。
p.12-22 表門模型、屋敷に使用された瓦等の写真、絵図面多数
p.23-27 江戸詰め家臣に関する記述、文書の写真、菩提寺である東禅寺の図面
『江戸の大名屋敷』
p.93-127「仙台藩伊達家芝屋敷の形成と変遷」に、以下の記述がある。
p.93 仙台藩伊達家江戸屋敷は、1601年(慶長6)伊達政宗が徳川家康より、「御屋敷」「櫻田」「愛宕ノ下」「芝」の4ヵ所を拝領することに始まる。汐留の屋敷(芝屋敷)は、1641年(寛永18)増上寺境内内に拝領した下屋敷の召し上げに伴い、替地として拝領した。
p.94 「仙台藩伊達家江戸屋敷一覧」(『東京市史稿市街篇47(49の誤りと思われる)』より作成)の表がある。
p.95 1676年(延宝4)四代藩主綱村の移徒(わたまし)に伴って上屋敷となった。1743年(寛保3)には、六代藩主宗村(夫人は徳川吉宗養女利根姫)の移徒を契機として、屋敷の大規模な改変がなされた。1869年(明治2)4月19日、東京府への引き渡しが行われた。
p.96-97 芝屋敷に甚大な被害を与え、事後大規模な普請が行われた主な被災(地震、火事)の一覧
p.99-100 屋敷地の絵図(『近世武士住宅』『汐留遺跡Ⅳ』他より作成)
p.101-125 芝屋敷の形成基盤と造成過程について
p.126-127 参考文献一覧
『東京市史稿 市街篇第49』
「諸藩江戸邸の沿革」のうち、p.944-948に仙台藩江戸藩邸についての記述がある。
上屋敷の三カ所目として「芝口海手 芝区新橋堀留駅構内(港区) 拝領年月不詳 唱替元禄年中分割 上地宝永4年7月6日 拝領囲込寛保3年10月 坪数25815坪余」とあり屋敷地の経緯が書かれている。
『近世武士住宅』
p.462-479に「仙台城及び伊達家上屋敷における主要建築姿図について」の記述がある。
p.478に「伊達家の上屋敷は慶長から明暦大火頃までは桜田にあったが、大火後屋敷替えを受け、寛文から延宝4年まで一時愛宕下の屋敷が上屋敷として利用され、延宝4年からは浜屋敷を以て上屋敷とし、以後幕末まで続いた」とある。
附図として「伊達家芝上屋敷絵図」(1-1、1-2)、「伊達家芝上屋敷御表方造作惣差図」(1-3)がある。
『江戸城下変遷絵図集 9』
p.60-73 芝口之内(港区東新橋1・2丁目)の変遷がわかる。1673-1862年までの絵図が6点あり、敷地が造成され橋がかかっているのがわかる。
『のぞいて見よう!大名の家づくりとその暮らし』は、フリガナが多くわかりやすい。伊達家の上水道、下水道、庭園の大池、表門に関する記載がある。
汐留の再開発による仙台藩邸跡の発掘調査について、次のような資料がある。
『汐留遺跡 平成9年度特別展図録(港区立港郷土資料館/編)』に、発掘された遺物の写真がある。
p.10-11 6I-060遺構(仙台藩伊達屋敷跡の塵芥溜め)出土の磁器大皿の写真
p.35-36 全景、磁器、化粧用具のカラー写真
『汐留遺跡』を冠した発掘調査報告書は、2種類発行されている。
『汐留遺跡 第一分冊(汐留地区遺跡調査会/編)』の「例言」によると、この発掘調査は地下鉄建設株式会社及び東京都建設局(新交通)が、汐留地区遺跡調査会に委託して行ったもので、内容はそれぞれ「遺跡の概要と近世の遺構」「近世の遺物」「近代の遺構・遺物、化学分析及び考察」となっている。仙台藩邸について、以下の記述があった。
p.43-364 仙台藩邸を4つの時期に分け、それぞれの遺構についての報告書
『汐留遺跡第二分冊(汐留地区遺跡調査会/編)』
巻頭図版1-17 遺物のカラー写真
p.5-246「第2節 仙台藩邸跡出土の陶器・磁気・土器」
『汐留遺跡第三分冊(汐留地区遺跡調査会/編)』
p.279-292「伊達家下屋敷で使われた陶磁器―2号土坑出土品を中心に―」
『汐留遺跡(汐留地区遺跡調査会)』にはカラー写真が多数あり、英文解説が併記されている。
また国鉄清算事業団、東京都建設局、東京都地下鉄建設株式会社に委託を受けた、東京都埋蔵文化財センターによる調査報告書もある。
『汐留遺跡 1 第一分冊(東京都教育文化財団/編)』(本文編)に以下の記載がある。
p.13伊達地区の土層
p.39-63伊達家屋敷内の遺構
p.79伊達家・脇坂家屋敷を区画する屋敷境堀及び船入場
p.329-348仙台藩伊達家と龍野藩脇坂家の江戸屋敷について、汐留遺跡における伊達家屋敷・脇坂家屋敷の変遷について
『汐留遺跡 1 第二分冊(東京都教育文化財団/編)』(近世遺構編)に以下の記載がある。
「伊達家屋敷の遺構」及び「伊達家・脇坂家屋敷を区画する堀」の「建物施設・上水施設・排水施設・埋設施設・構築施設・土坑・落ち込み」について
『汐留遺跡 1 第三分冊(東京都教育文化財団/編)』(近世遺物編)に以下の記載がある。
「伊達家屋敷出土遺物」「伊達家・脇坂家両屋敷を区画する境堀出土」の「陶磁器、土製品、瓦、金属製品、石製品、木製品、植物繊維製品、骨角製品」について
『汐留遺跡 1 第五分冊(東京都教育文化財団/編)』(分析編)に以下の記載がある。
p.69-86「汐留遺跡出土石材鑑定―仙台藩伊達家・龍野藩脇坂家屋敷境堀石垣石材の産地推定―」
p.139-148 汐留遺跡出土の木材資料樹種同定
p.149-176 人骨、動物遺体について
『汐留遺跡 1 付図(東京都教育文化財団/編)』に以下の図面がある。
付図1「伊達家芝上屋敷絵図」
付図2-7「伊達家屋敷遺構配置図」
付図17「伊達家屋敷船入場・屋敷境堀」
『汐留遺跡 2 第一分冊(東京都教育文化財団/編)』(本文・分析編)に、伊達家屋敷に関する以下の記載がある。
p.5-6地区の土層
p.45-53遺構
p.69-76伊達家・脇坂家屋敷を区画する屋敷境堀及び荷揚場
p.77-79液状化現象
p.121-127船入場
p.128-132土留め遺構
p.133-142表門
p.143-152上水施設の系統
p.153-163下駄
このほかに大型植物化石、土壌、自然科学(植物等)、木製品、漆製品、人骨、動物遺体、等の分析結果がある。
『汐留遺跡 2 第二分冊(東京都教育文化財団/編)』(近世遺構・伊達編)「凡例」によると伊達家屋敷の以下の遺構の記載がある。
外郭、土留施設、建物施設、上水施設、排水施設、埋設・構築施設、土坑・落ち込み
『汐留遺跡 2 第四分冊(東京都教育文化財団/編)』(近世遺物編)
p.113-139伊達家屋敷出土陶磁器・土器観察一覧表
『汐留遺跡 2 付図(東京都教育文化財団/編)』に、付図1「伊達家屋敷船入場」がある。
『汐留遺跡 3 第1分冊(東京都教育文化財団/編)』に、伊達家屋敷に関する以下の記載がある。
p.3-6土層
p.23-36遺構・遺物
p.91-99御殿と長屋
p.212-296出土木材の樹種、動物遺体、漆器碗類の材質と製作技法
『汐留遺跡 3 第2分冊(東京都教育文化財団/編)』に、伊達家屋敷に関する遺構編の報告として以下の記載がある。
外郭施設、土留め施設、建物施設、上水施設、排水施設、埋設・構築施設、土坑・溝
『汐留遺跡 3 第3分冊(東京都教育文化財団/編)』に、伊達家屋敷出土の遺物として以下の記載がある。
陶磁器、土器、土製品他、瓦、金属製品、銭貨、石製品、硝子製品、骨格・貝製品、漆木製品、木製品、木製品文字資料、植物繊維製品
『汐留遺跡 4 第1分冊(東京都教育文化財団/編)』総論編として、以下の記載がある。
調査の方法と経過、遺跡の土層、遺跡の成り立ち、遺跡の歴史的背景、遺構と遺物の概要、成果と課題、総括、英文要旨、報告書抄録
伊達家屋敷に関する主な内容
p.20-28 史料からみた近世の汐留遺跡・汐留地区近世史年表
p.36-52 伊達家屋敷内の遺構・遺物
p.67-78 汐留遺跡にみる江戸沿岸域の大名屋敷造成の一様相 ―特に伊達家屋敷について―
p.79-98 汐留遺跡・伊達家芝屋敷の基準遺構と紀年銘資料
p.127-138 伊達家・保科家屋敷出土瓦にみる国元瓦の様相 ―仙台城・若松城出土瓦との比較―
『汐留遺跡 4 第2分冊(東京都教育文化財団/編)』「凡例」に、伊達家屋敷から検出された遺構の報告として、以下の記載がある。
建物施設、上水施設、排水施設、構築施設、埋設施設、土坑・溝、庭園関連施設、船入場関連施設、土留め施設
『汐留遺跡 4 第2分冊 付図(東京都教育文化財団/編)』伊達家屋敷遺構の付図32点がある。
庭園関連施設、船入場関連施設、土留め施設
『汐留遺跡 4第3分冊(東京都教育文化財団/編)』「凡例」に、伊達家屋敷出土のうち以下の遺物の報告とある。
舶載陶磁器、国産陶磁器・土器
『汐留遺跡 4第4分冊(東京都教育文化財団/編)』「凡例」に、伊達家屋敷出土のうち以下の遺物の報告とある。
土製品等、瓦、金属製品、銭貨、石製品、硝子製品、骨格製品、貝製品、漆木製品、木製品、木製品文字資料、植物繊維製品
『汐留遺跡 4第7分冊(東京都教育文化財団/編)』伊達家屋敷出土の以下の遺物に関する化学分析結果の報告がある。
漆器碗類、近世瓦の胎土、石製品と石材、和釘類、金属製品、種子同定、遺構構築材と根株の樹種、動物遺体、岩石
『汐留遺跡 旧汐留貨物駅跡地内遺跡発掘調査概要(東京都教育文化財団発行)』1-7には、発掘現場の写真が多数ある。
『汐留遺跡 11号(東京都埋蔵文化財センタ-/編)』p.2-5に、遺跡全景・上水設備の写真がある。
(2024年2月更新)
参考資料:汐留遺跡11号東京都埋蔵文化財センタ-/編東京都, (p.2-5)
参考資料:汐留遺跡平成9年度特別展図録港区立港郷土資料館/編港区, (p.10-11,35-36)
参考資料:のぞいて見よう!大名の家づくりとその暮らし平成15年度特別展港区立港郷土資料館/編港区,
参考資料:汐留遺跡小田 静夫/他編汐留地区遺跡調査会,
参考資料:汐留遺跡東京都教育文化財団/発行東京都教育文化財団,
参考資料:汐留遺跡東京都教育文化財団/発行東京都教育文化財団,
参考資料:汐留遺跡東京都教育文化財団/発行東京都教育文化財団,
参考資料:汐留遺跡東京都生涯学習文化財団東京都埋蔵文化財センター/発行東京都教育文化財団,
参考資料:江戸の大名屋敷江戸遺跡研究会/編吉川弘文館, (p.93-127)
参考資料:江戸の武家屋敷港区立郷土歴史館/編港区, (p.11-27)
参考資料:江戸城下変遷絵図集9幕府普請奉行/編原書房, (p.60-73)
参考資料:東京市史稿市街篇第49東京都/編纂東京都, (p.944-948)
参考資料:近世武士住宅佐藤 巧/著叢文社, (p.462-479)
参考資料:汐留遺跡東京都教育文化財団/発行東京都教育文化財団,
参考資料:汐留遺跡東京都教育文化財団/発行東京都教育文化財団,
参考資料:汐留遺跡第一分冊汐留地区遺跡調査会/編汐留地区遺跡調査会, (p.43-364)
参考資料:汐留遺跡第二分冊汐留地区遺跡調査会/編汐留地区遺跡調査会, (図版1-17,p.5-246)
参考資料:汐留遺跡第三分冊汐留地区遺跡調査会/編汐留地区遺跡調査会, (p.279-292)
参考資料:汐留遺跡 1第一分冊東京都教育文化財団/編東京都教育文化財団, (p.13,39-63,79,329-348)
参考資料:汐留遺跡 1第二分冊東京都教育文化財団/編東京都教育文化財団,
参考資料:汐留遺跡 1第三分冊東京都教育文化財団/編東京都教育文化財団,
参考資料:汐留遺跡 1第五分冊東京都教育文化財団/編東京都教育文化財団, (p.5-6,45-53,69-79,121-163)
参考資料:汐留遺跡 1付図東京都教育文化財団/編東京都教育文化財団,
参考資料:汐留遺跡 2第一分冊東京都埋蔵文化財センタ-/編東京都埋蔵文化財センタ-, (p.5-6,45-53,69-79,121-163)
参考資料:汐留遺跡 2第二分冊東京都埋蔵文化財センタ-/編東京都埋蔵文化財センタ-,
参考資料:汐留遺跡 2第四分冊東京都埋蔵文化財センタ-/編東京都埋蔵文化財センタ-, (p.113-139)
参考資料:汐留遺跡 2付図東京都埋蔵文化財センタ-/編東京都埋蔵文化財センタ-, (付図1)
参考資料:汐留遺跡東京都生涯学習文化財団東京都埋蔵文化財センター/編集東京都生涯学習文化財団東京都埋蔵文化財センター,
参考資料:汐留遺跡 3第1分冊東京都生涯学習文化財団/編東京都埋蔵文化財センタ-, (p.3-6,23-36,91-99,212-296)
参考資料:汐留遺跡 3第2分冊東京都生涯学習文化財団/編東京都埋蔵文化財センタ-,
参考資料:汐留遺跡 3第3分冊東京都生涯学習文化財団/編東京都埋蔵文化財センタ-,
参考資料:汐留遺跡4第1分冊東京都埋蔵文化財センター, (p.20-28,36-52,67-98,127-138)
参考資料:汐留遺跡4第2分冊東京都埋蔵文化財センター,
参考資料:汐留遺跡 4第2分冊 付図東京都生涯学習文化財団/編東京都埋蔵文化財センタ-, (付図1-32)
参考資料:汐留遺跡4第3分冊東京都埋蔵文化財センター,
参考資料:汐留遺跡4第4分冊東京都埋蔵文化財センター,
参考資料:汐留遺跡4第7分冊東京都埋蔵文化財センター,
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