お探しの漢詩は、次のものと一・二・七句目の一部が一致しており、明の袁宏道の「乍晴述懐」
という題の七言律詩だと推測できます。
(一句目)竹裏新晞喚羽雛
(二句目)幽人情緒■(りっしんべんに尭)江湖
(七句目)春來背癢誰掻得
出典は『■(さんずいに蕭)碧堂集』ですが、当館では所蔵がなく、インターネット上の情報(下記
2(1))しか見つかりませんでした。関連資料をご紹介します。
1 漢詩の原文・書き下し文・口語訳・解説についての資料
次の図書に掲載されています。
(1) 『中国文学歳時記 春 下』
黒川洋一/〔ほか〕編 同朋舎出版 1988 p.111-113
(2) 『袁宏道 中国詩人選集二集 第11巻』 袁宏道/著 岩波書店 1963
p.132-133
2 出典について
出典については、次のインターネットサイトから確認できます。
(1) 「維基文庫」(中国語のインターネットサイト)
http://zh.wikisource.org/wiki/%E7%80%9F%E7%A2%A7%E5%A0%82%E9%9B%86
この漢詩が『■(さんずいに蕭)碧堂集』「巻九 詩」に掲載されています。
『■(さんずいに蕭)碧堂集』については、『袁宏道』(上記(2))p.13に著作の
1つとして挙げられています。
(2) 「漢籍データベース」
http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/kanseki
『■(さんずいに蕭)碧堂集』の国内の所蔵状況は、このサイトから確認できます。
3 調査の経緯
(1) Googleで「喚羽雛」をキーワードに完全一致検索をしたところ、
「維基文庫」のサイトが見つかりました。
(2) 「乍晴述懐」という題が判明したため再検索したところ、下記の資料が見つかりました。
ア 「中国詩詞翻訳索引 Ⅲ 明代」相島宏
(「参考書誌研究」第61号 国立国会図書館 2004年10月) p.116
こちらの記事から『中国文学歳時記 春 下』(上記1(1))に「乍晴述懐」が掲載されて
いるとわかりました。
(3) Googleブックスを検索したところ、
『袁宏道』(上記1(2))に掲載されていることがわかりました。
Googleブックス
http://books.google.co.jp/
その他、漢詩の参考図書や袁宏道の関連図書を何冊か確認しましたが、
この他には掲載されている資料は見つかりませんでした。
↧