『松本清張作品研究』(近代文学研究叢刊 加納重文/著 和泉書院 2008.6)p347(参考資料「全集未収録作品一覧」の40にあたる)によると、
確かに、昭和31年5月「狂人」を「オール小説 薫風号」に発表したことが書かれています。
この作品名で、当館蔵書、横断検索蔵書等探しましたが、見当たらず、
改題したのかと疑い、前出の資料の改題した小説の一覧も確認しましたが、載っていませんでした。
『松本清張研究3』173ページの作品目録も、1957年から始まっており、1956年のこの作品については言及しておりません。
NACSISWEBCAT、CiNii booksでは、オール小説でヒットが二件あります。
オール小説<オール ショウセツ>. -- (AA11704485)
. -- 東京 : 江戸書院
注記: 記述は2卷3號 ( [昭24]. 陽春)による
国立劇場 国劇図 3(1)<1950-1950>
日本近代文学館 2(3,5-6),3(1)<1949-1950>
オール小説 : all roman<オール ショウセツ : all roman>. -- (AA11736415)
. -- 東京 : 荒木書房
注記: 記述は1巻2号 (昭31.6)による
日本近代文学館 1(2,5)<1956-1956>
国立国会図書館サーチ(公共図書館総合目録)によれば、国立国会図書館に江戸書院のものが所蔵ありますが、
こちらも1956年を含んではおりません。
『日本出版百年史年表』では荒木書房のものの記述があり
1955年10月創刊、翌年12月終刊となっています。
「狂人」が載ったのがこちらとすれば、日本近代文学館に所蔵のものの可能性があります。
GeNii等でも「松本清張×狂人」では論文等も見つからず。
当館所蔵の松本清張研究資料
『松本清張研究』
精神科医でもある海堂尊によるアンソロジー
『松本清張傑作選 [2] 暗闇に嗤うドクター』( 松本清張/著 新潮社 2009.4 )にも
手掛かりになる解説等は載っておりませんでした。
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