枕詞「みすゞかる」を含む万葉集の歌は確認できなかった。
同じ「信濃国」にかかる枕詞「みこもかる」の表記で次の2首を確認、紹介した。
『新日本古典文学大系1 萬葉集一』佐竹昭広[ほか]校注 岩波書店 1999
p.92 「みこも刈る信濃の真弓わが引かばうま人さびて否と言はむかも」(巻第二 96 久米禅師)
p.93 「みこも刈る信濃の真弓引かずして弦作(をはく)るわざを知るといわなくに」
(巻第二 97 石川郎女)
回答プロセス:1.『新日本古典文学大系1 萬葉集一』の索引を参照したところ「みすゞかる」から始まる和歌は確認できず。
2.『和歌大辞典』p.941「みすずかる」の項目に、「「三薦刈」「水薦刈」の訓みミコモカル(ミクサカルとも)を冠辞考で賀茂真淵が改訓し、「信濃」の枕詞として流布したもの、すでに鹿持雅澄の万葉集古義などにミスズと訓む例なしとその誤りが指摘されている。」とあり、現代では「みすずかる」ではなく、「みこもかる」または「みくさかる」と表記されることを確認。
3.再度『新日本古典文学大系1 萬葉集一』の索引を参照し「みこも刈る」から始まる該当の2首を確認する。
4.上記の2首について当館所蔵の万葉集に関する資料を参照。「みすずかる」と読み仮名のあるものは確認できなかった。
参考資料:佐竹昭広 [ほか]編 , 佐竹, 昭広, 1927-2008. 新日本古典文学大系 1. 岩波書店, 1999.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002807101-00, 4002400018(【918/シン/1】 p.941)
参考資料:犬養廉 [ほか] 編 , 犬養, 廉. 和歌大辞典. 明治書院, 1986.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I000015983-00, 4625400295(【911.1/イキ】)
参考資料:土屋文明 著 , 土屋, 文明, 1890-1990. 万葉集私注 第1巻. 筑摩書房, 1949.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000851271-00,
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