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生物学用語”ネオテニー”(幼体成熟)をヒトと関連させた資料を紹介して欲しい。                                                      *ネオテニーという言葉は有名だが、科学的に妥当性があるか知りたい。(神奈川県立川崎図書館)

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ネオテニーに関する文献は少なく、CiNiiで30件、JDreamⅡで35件。内ヒトと関連の文献は以下の4点。                                   ①「ヒトのネオトニー説批判」井尻正二他(地球科學45巻1号1991)                                                            ②「ヒトのネオテニー説批判」によせて:”ヒト”はどうして立ち上がったか」相坂冀一郎((地球科學47巻5号1993)                         ③「児童保健学研究の人類学的・霊長類学的アプローチ:ヒトのネオテニー的発達」広瀬恭三(大阪樟蔭女子大学論集9)                          ④「胎児化説とその周辺 進化と個体発生の関係」田すみ本生(病態生理vol.4,No.1)内容:生物進化の機構を説明する種種の仮説のうち、人体の特徴形成に関連して提出された胎児化説(Ⅰ)」の背景と現況をⅠの前史(フォン・ベアの法則、生物発生原則)、反復説の内容、反復説批判とⅠ、ネオテニーと幼形進化に分けて概観                                                                                                    ①はヒトのネオトニー説を否定する立場からかかれており、ヒトの特質はネオトニーを示すかどうか、具体的な事例を挙げて説明してある。質問の回答に一番近いと思われる。(所蔵有)                                                                                        ②は①に対しての反論。(所蔵有)この著者の別著作「ネオテニーということ.現代進化論の弱点を補うために1,2」生物科学36(3)(4)も所蔵有。          ③は所蔵なしで詳細は不明。 ④も所蔵なしだが、内容の紹介があった。 なお、1920年にL.ボルクが、チンパンジーの幼形が人類と似ている点が多いため、ヒトはチンパンジーのネオテニーだという説を提唱している。これに関しての資料は「ダーウィン以来…進化論への招待」S.J.グールド(ハヤカワ文庫1995、原著1977)が出版されているが、その他は具体的書名は不明。

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