水戸藩の剣術指南役そのものについてまとまった資料がなく,どの程度の資料をお求めであるかわからなかったため,当館で所蔵しております資料の状況を報告します。
(1)『水戸市史 中巻(2)』
第12章 武芸の発達 p.679-680
第1節 武芸の概況 p.680-692
第2節 武芸の制度 p.693-699
第3節 武芸の諸流派(1)(剣術・居合術・槍術) p.699-714
(うち剣術の項目はp.699-706,713)
第4節以下(略)
(2)『水戸市史 中巻(3)』,昭和51,水戸市史編さん委員会 編,水戸市役所
第15章 天保の改革(1)
第7節 武芸の改革 p.245-284
(うち剣術の記述はp.259-264,277-283)
(1),(2)とも水戸藩で行われていた武術について流祖・水戸藩初代・道統・特色などについて概観されています。
(3) 『水戸藩に於ける水府流の沿革』,昭和11,荷見守文 著,安信舎
水戸藩で行われていた武術は多数の流派があり,そのうちの水府流の沿革についてまとめられた図書です。
指南については,指南伝系・任命・門人推挙など比較的詳しく書かれています。
水戸藩に於ける水府流剣術の沿革(江戸時代の指南に関する頁のみ:p.6-38)
4 水府流剣術水戸指南伝系
5 指南の任命
6 水府流剣術江戸指南伝系
7 水府流剣術伝書につきて
8 水府流剣術の免許
9 水府流剣術の最盛期
10 嘉永4年武術概況
11 弘道館の武館
12 指南の門人推挙
(4)『幕末関東剣術英名録の研究』,昭和42,渡辺一郎 著,渡辺書店
資料として「万延元年 武術(剣道)英名録」,「明治21年 皇国武術英名録」,「直心影流萩原連之助 剣客録」が掲載されています。
いろは順になっているため,水戸藩としてまとまっているページはありません。
また,当館では所蔵していませんが,次のような資料もあります。
(5)『武術名家伝』,1902,菊巒加門 編,菊巒加門
国立国会図書館近代デジタルライブラリー http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/860468 [last access 2014/11/07]
(6)『日本武術名家伝』,1902,飯島唯一 編,飯島唯一
いずれも国立国会図書館と茨城県立図書館で所蔵しています。
(7)『水府武術伝系』,『水藩武技名家墓誌集』
上記(1)の『水戸市史』の参考文献としてあがっていました。
いずれも彰考館文庫所蔵となっていますので,公益財団法人徳川ミュージアムが所有者となります。
徳川ミュージアム http://tokugawa.gr.jp/ [last access 2014/11/07]
【追記】 2014/10/10
『茨城県歴史館 和書目録1』(pp.50-51)に挙げられている武芸に関する和書も参考にご覧ください。
・『武名鑑』(※写横一冊/嘉永年間,諸藩の武芸者の姓名を記録する)
・『諸藩撃剣教師姓名録』 明治4年 (※写一冊/水戸弘道館蔵)
・『遊学名簿』(※写一冊/水戸弘道館蔵)
また,『茨城県立歴史館史料叢書 3 弘道館史料Ⅰ』『茨城県立歴史館史料叢書 6 弘道館史料Ⅱ』の中にも記録がございます。
回答プロセス:(1) DBを検索
(2) 書架(水戸市史,K780(武術))にて確認
(3) 国会図書館サーチで検索
(4) 研究員からの情報を追記(更新日:2014/10/10)
参考資料:水戸市史編纂委員会 編 , 水戸市. 水戸市史 中巻 2. 水戸市, 1969.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001211722-00, (当館請求記号 K211/1/2-2)
参考資料:水戸市史編纂委員会 編 , 水戸市. 水戸市史 中巻 3. 水戸市, 1976.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001211723-00, (当館請求記号 K211/1/2-3)
参考資料:荷見守文 著 , 荷見, 守文. 水戸藩に於ける水府流の沿革. 荷見守文, 1936.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000734503-00, (当館請求記号 K780/9)
参考資料:渡辺一郎 編著 , 渡辺, 一郎, 1924-. 幕末関東剣術英名録の研究. 渡辺書店, 1967.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001109890-00, (当館請求記号 780/4)
参考資料:『武名鑑』 嘉永年間 写横一冊, (当館請求記号 和17-5)
参考資料:『諸藩撃剣教師姓名録』 明治4(1871) 写一冊, (当館請求記号 和17-9)
参考資料:『遊学名簿』 写一冊, (当館請求記号 和17-10)
参考資料:茨城県立歴史館史料部 編 , 茨城県立歴史館. 弘道館史料 1. 茨城県立歴史館, 2000. (茨城県立歴史館史料叢書 ; 3)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002878482-00, (当館請求記号 K210.08/22/3)
参考資料:茨城県立歴史館史料部 編 , 茨城県立歴史館. 弘道館史料 2. 茨城県立歴史館, 2003. (茨城県立歴史館史料叢書 ; 6)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004073356-00, (当館請求記号 K210.08/22/6)
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