『定本西鶴全集第11巻 上』、『天理図書館綿屋文庫俳書集成23 影印 蕉門俳書集』、『俳書叢刊 5』を紹介した。
回答プロセス:1.所蔵している『西鶴全集』や文学全集の井原西鶴の巻を見るが、どれも収録されていなかった。
2.『國書總目録』の第5巻と第6巻で、作品が何に収録されているか確認した。
●「俳諧女歌仙」について
『國書總目録』第6巻、p.526に記述あり。
天理綿屋文庫に「古今俳諧女歌仙絵抄」として収録、また複本として「古今俳諧女歌仙」があるようだ。
●「住吉物語」について
『國書總目録』第5巻、p.56に記述あり。いくつか「住吉物語」の項目があった。分類が俳諧となっている「住吉物語」の項目を参照する。こちらは成立が元禄8年。「天理綿屋文庫」、「俳書叢刊」に収録されているようだ。
3.2で調べた本の所蔵の有無を、愛知県内の横断検索で所蔵を調べる。
「俳諧女歌仙」で検索するが、所蔵は見つからず。
漢字が違うかもしれないので、「はいかいおんなかせん」とひらがなで検索してみたところ、
a.『定本西鶴全集第11巻 上』
という本が見つかった。内容細目を見ると「古今俳諧女哥仙」として収録されていた。
「住吉物語」+「天理」で検索。
b.『天理図書館綿屋文庫俳書集成23 影印 蕉門俳書集』
c.『俳書叢刊 5』
の2点の本があった。
検索結果では西鶴の作品かどうかわからなかったので調べたところ、cのp.423(bではp.256)に
簫吹人留主とはかほる蓮かな 亡 西靏
という作品が載っていた。
・「靏」は「鶴」の異体字。つると読む。(『大修館 漢語新辞典』p.1289より)
・西鶴がこの『住吉物語』が成立した元禄8年には亡くなっている。(『日本国語大辞典』p.1306より。元禄6年没。)
などの点から、上記の作品は西鶴のものだろうと推測。
利用者にa、b、cの三冊を紹介した。
参考資料:『国書総目録 5巻』岩波書店, 1967,
参考資料:『国書総目録 6巻』岩波書店, 1969,
参考資料:井原, 西鶴, 1642-1693 , 潁原, 退蔵, 1894-1948 , 暉峻, 康隆, 1908-2001 , 野間, 光辰, 1909- , 井原西鶴 著 , 潁原退蔵, 暉峻康隆, 野間光辰 編. 定本西鶴全集 第11巻 上. 中央公論社, 1972.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000388119-00,
参考資料:天理図書館綿屋文庫俳書集成編集委員会 編 , 天理図書館. 天理図書館綿屋文庫俳書集成 第23巻 (蕉門俳書集 1). 天理大学出版部, 1997.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002667940-00, 4840695237
参考資料:天理図書館綿屋文庫 編 , 天理図書館. 俳書叢刊 第5巻. 臨川書店, 1988.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001924191-00, 4653017417
参考資料:日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編 , 小学館. 日本国語大辞典 第1巻 第2版. 小学館, 2000.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002951007-00, 409521001X
参考資料:鎌田正, 米山寅太郎 著 , 鎌田, 正, 1911- , 米山, 寅太郎, 1914-2007. 大修館漢語新辞典. 大修館書店, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004117657-00, 4469031593
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