ヨーロッパの横笛「ファイフ」。
回答プロセス:『西洋絵画名作レファレンス事典Ⅱ』を検索。
それによるとフランスの画家、マネ,エドゥアールの1866年の作品。
タイトルは他に「笛吹く少年」「笛吹き」「笛吹きの少年」「横笛を吹く少年」
当館所蔵資料で「笛を吹く少年」の解説が書かれているものを探したところ、
【資料1】『マネ アート・ライブラリー』(西村書店)p13「笛を吹く少年」に
“モデルをつとめたのは、帝国衛兵のマスコット的存在だった鼓笛隊のある横笛奏者”と書かれていた。
『大百科事典』(平凡社)で「鼓笛隊」を検索。以下の記述あり。
p988“笛と太鼓からなり、歩兵の行進や戦闘の際の合図のための楽隊。
起源は中世ヨーロッパの楽師たちが笛と太鼓で舞踊の伴奏をしていたことに始まるが、15世紀末にスイス傭兵によって軍隊の行進にも使われるようになった。
楽器は1~6孔をもったファイフ(横笛)と、タンブールであったが、今日では大太鼓も加わり、横笛も鍵付きが多くなっている”
「ファイフ」に絞って調査をすすめる。
【資料2】『標準音楽辞典 ト-ワ』(音楽之友社)
p1547「ファイフ」
6孔から8孔をもつ小さなフルートで通常キーがない。
主に軍楽隊で用いられ、ひとりの奏者が小太鼓とともに演奏した。
挿絵あり。
【資料3】『世界の楽器百科図鑑』(東洋書林)
p147「ファイフ」の解説に、エドゥアール・マネの「笛吹く少年」の画像が添えられている。
アメリカでは鼓笛隊(ファイフとドラム)が依然として活躍しており、初期のアメリカの軍楽を演奏している、と書かれている。
【資料4】『世界の「楽器」絵事典』(PHP研究所)
p35「ファイフ」(1750年、イギリス)の写真あり。
【資料5】インターネット情報〔キャラクタと楽器 マネの笛を吹く少年〕
http://saisaibatake.ame-zaiku.com/gakki/person/c_mane.html(最終確認2014/8/30)
「ヨーロッパでファイフと呼ばれる横笛」と書かれている。
【資料6】インターネット情報〔イベント/オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由―〕
http://orsay2014.jp/news_event/category/event(最終確認2014/8/30)
マネの「笛を吹く少年」の音色を聴くことを目的に、再現製作されたファイフによる演奏会が行なわれている。
以上により、マネの「笛を吹く少年」に描かれている笛の名前は、ヨーロッパの横笛「ファイフ」である。
※以下の資料は調査済み。笛についての記載なし。
『マネ 近代絵画の誕生』(創元社)
『マネの絵画』(筑摩書房)
『マネ 日経ポケットギャラリー』(日本経済新聞社)
参考資料:【資料1】マネ [画] , ジョン・リチャードソン 著 , 三浦篤, 田村義也 訳 , Manet, Édouard, 1832-1883 , Richardson, John, 1924- , 三浦, 篤, 1957- , 田村, 義也, 1966- , 千足, 伸行, 1940- , 島田, 紀夫, 1940- , 森田, 義之, 1948-. マネ. 西村書店, 1999. (アート・ライブラリー)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002752777-00, 4890135553(p13 当館請求記号 723.3/リ99)
参考資料:【資料2】音楽之友社. 標準音楽辞典 ト-ワ・索引 新訂, 第2版. 音楽之友社, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009343003-00, 9784276000087(p1547 当館請求記号 R760.3/ヒ/2 ※貸出禁止資料)
参考資料:【資料3】マックス・ウェイド=マシューズ 著 , 別宮貞徳 監訳 , Wade-Matthews, Max , 別宮, 貞徳, 1927-. 世界の楽器百科図鑑 : 楽器の起源と発展. 東洋書林, 2002.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003983636-00, 4887215835(p147 当館請求記号 R763/ウ02 ※貸出禁止資料)
参考資料:【資料4】PHP研究所 編 , PHP研究所. 世界の「楽器」絵事典 : 音楽がたのしくなる : 歴史から、音の出るしくみまで. PHP研究所, 2007.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008493806-00, 9784569686769(p35 当館請求記号 760/セ07 ※こども室)
参考資料:【資料5】インターネット情報〔キャラクタと楽器 マネの笛を吹く少年〕
http://saisaibatake.ame-zaiku.com/gakki/person/c_mane.html(最終確認2014/8/30),
参考資料:【資料6】インターネット情報〔イベント/オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由―〕
http://orsay2014.jp/news_event/category/event(最終確認2014/8/30),
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