大阪府立図書館(国際児童文学館を含む)所蔵分で、確認できたものをご紹介します。国際児童文学館分は貸出できませんが、資料によっては、公共図書館に所蔵があり、取り寄せ可能の資料もあるかと思います。まずはお近くの図書館にご相談ください。
3人の画家に分けて項目を立てましたが、同一資料の中に、複数の方の絵がある場合はそれぞれ説明をつけています。
また、確認済みとうかがった資料以外を列記しました。
1)ジョージ・クルークシャンク(George Cruikshank)
ジョージ・クルークシャンクは、ジョージ・クルークシャンク個人の作品、本人について書かれた資料が外国語資料にありましたので、それらを中心に挙げました。日本語の図書については、後述の中でも触れています。
・『ジョージ・クルックシャンク : 諷刺画家から挿絵画家へ』(伊丹市立美術館/編 伊丹市立美術館 2003)国際児童文学館請求記号【T030125/1】
→伊丹市立美術館での展示図録。略年譜、参考文献等の記載あり。図録のあいさつによると、伊丹市立美術館はクルックシャンクの542点の作品を所蔵しているとのこと。クルックシャンクの生涯と作品についての解説もp5~22にあり。
・『ジョージ・クルックシャンクカタログ』(同志社女子大学/編 同志社女子大学 1995)大阪府立中央図書館請求記号【726.5/276N】
→同志社女子大学の所蔵しているコレクション約850点の図録。絵はなく、文字のみでの作品解説。
・『Children’s Literature Review Vol.63』(Gale Research 2000)国際児童文学館請求記号【001/ABA/1963】
→p26-72に、イラスト入りでクルークシャンクの人物や作品について記述あり。(本文英語)
(『SOMETHING ABOUT THE AUTHOR Vol.235』(Gale 2012)国際児童文学館請求記号【001/ABA/2570F】のAuthor Index p266のCruikshank ,George の項目より)
・『Cruikshank Prints for hand coloring』(George Cruikshank/Au.Il. Dover 出版年月不明)国際児童文学館請求記号【001/ABC/1147】
→グリム童話の挿絵ではない、クルークシャンクの大判(40cm×27cm)の風刺画などの絵(エッチング)が16枚。(本文英語)
・『GERMAN POPULAR STORIES Vol.1』(M.M.Grimm collected by, George Cruikshankwith 12 Plates C.Baldwyn 1823)国際児童文学館請求記号【001/ABB/2726】
・『GERMAN POPULAR STORIES Vol.2』 (1826)国際児童文学館請求記号【001/ABB/2727】
→1巻12枚、2巻10枚の挿絵。 (本文英語) フランス装のため一部の本文が袋状のまま。
・『Oliver Twist』(Charles Dickens, George Cruikshank Dodd, Mead 1979)国際児童文学館請求記号【001/ABB/421】
→クルークシャンクの挿絵。(本文英語)
・『Graphic works of George Cruikshank』(Richard A. Vogler Dover 1979)国際児童文学館請求記号【001/ABA/230】
→279枚のクルークシャンクの絵。カラー8枚。31cm×24cm。(本文英語)
・『GEORGE CRUIKSHANK’S LIFE,TIMES and ART Vol.1』(Robert L.Patten Rutgers Univers 1992)国際児童文学館請求記号【001/ABA/909】
→クルークシャンクの生涯、時代、絵について書かれている。挿絵もあり。(本文英語)
・『Classics of Children’s Literature 1621-1932』(Garland Pub. 1978)大阪府立中央図書館請求記号【J2480】
→”The Fairy Library Series”の”Hop-O'my-Thumb and the seven-league boots”,” The History of Jack & the Bean-Stalk”,” Cinderella & the Glass Slipper”,” Puss- in- Boots”の4作品がクルークシャンクの挿絵。(本文英語)
2)オットー・ウベローデ(Otto Ubbelohde)
・『働くお父さんの昔話入門』(小澤俊夫/著 日本経済新聞社 2002.10)国際児童文学館請求記号【T021003】
→『グリム童話全挿絵集』(古今社)より、p1「ヘンゼルとグレーテル」、p22「いばら姫」、p58「白雪姫」、p104「星の金貨」、p187「怖がることをならいに出かけた若者の話」、p202・扉「灰かぶり」、カバー裏「ブレーメンの音楽隊」の挿絵あり。
・『季刊 子どもと昔話』vol.44 (昔ばなし研究所/編 古今社 2010年夏)
→p8~11「画家オットー・ウベローデの世界」、p12~21小澤俊夫著「特集 グリム童話の挿絵画家 オットー・ウベローデ」で、生涯や、挿絵が生まれるまでについて記述されている。
・『昔話からのメッセージ ろばの子』(小澤俊夫/著 小澤昔ばなし研究所 2007.9)国際児童文学館請求記号【T070901/13】
→オットー・ウベローデの挿絵が3枚ある。
・『だれが、いばら姫を起こしたのか(ちくま文庫)』(イーリング・フェッチャー/作 丘沢静也/訳 筑摩書房 1991.9)国際児童文学館請求記号【N910924/2】
→オットー・ウベローデの挿絵が約20点ある。
・『完訳グリム童話集(講談社文芸文庫)』1~3巻 (グリム兄弟/〔著〕池田香代子/訳 講談社 2008.10)国際児童文学館請求記号【T081010/23-1,2,3】
→オットー・ウベローデの挿絵が約15点ずつある。
・『完訳クラシック グリム童話』1~5巻 (グリム/著 池田香代子/訳 講談社 2000)国際児童文学館請求記号【T000710/12/1~5】
→オットー・ウベローデの挿絵が約50点ずつある。
・『Kinder- und Hausm?rchen desammelt durch die Br?der Grimm』(Jacob und Wilhelm Grimm Insel 1974)国際児童文学館請求記号【011/ABB/226】
→オットー・ウベローデの挿絵が約60点ずつある。
・『グリムの昔話 (3)森の道編』(ヤーコプグリム・ヴィルヘルムグリム/共[著] 矢崎源九郎/[ほか]訳 童話館出版 2001.4)国際児童文学館請求記号【T001020/7/3】
→オットー・ウベローデの挿絵が約30点ある。
3)ルドウィヒ・エミール・グリム(Ludwig Emil Grimm)
・1819年に出版された「子どもと家庭のメルヒェン集」第二版1、2巻には、ルドウィヒ・エミール・グリムの口絵が1枚ずつ掲載されている。「兄と妹」の挿絵と、メルヒェンの語り手であったドロテーア・フィーマンの肖像画である。これらは、下記に挙げる資料で見ることができる。
1825年には、第二版から50話選び出した「子どもと家庭のメルヒェン集 小さい版」に、ルドウィヒ・エミール・グリムの銅版画が7枚掲載されている。この7枚は、7つの童話に付けられた挿絵である。
参考:『図説 グリム童話』p37、38、『永遠のグリム童話:カッセル グリム兄弟博物館所蔵』
・『わが生涯の回想 グリム兄弟の弟 ルドウィヒ・エミール・グリム自伝』上下巻 (ルートヴィヒ・エーミール・グリム/ [著] 山田好司/訳 本の風景社 2011)大阪府立中央図書館請求記号 【723.3-990N】
→名古屋市立図書館から、相互貸借のお申込みが可能だと思いますが、郵送料などがかかるかもしれません。詳細は、名古屋市立図書館の方におたずねください。
・『図説 グリム童話』(グリム/〔著〕虎頭惠美子/編 河出書房新社 2005.7)国際児童文学館請求記号【T050730/5】
→カッセル・グリム兄弟博物館所蔵の図版が多く、「ヘンゼルとグレーテル」、「赤ずきん」(カラー)、「兄と妹」、「白雪姫」、「イバラ姫」、「灰かぶり」(カラー)のほか、家族の肖像画、市庁舎を描いたものなどが載っている。ジョージ・クルークシャンク、オットー・ウッベローデの挿絵も少し載っている。
・『永遠のグリム童話:カッセル グリム兄弟博物館所蔵』(ベルンハート・ライアー/解説 ブックグローブ社 2003.4)国際児童文学館請求記号【T030410/31】
→展覧会の図録のため、出品作品一覧があり、素材(リトグラフや、石膏など)が分かる。
ルドウィヒ・エミール・グリムの「兄と妹」「白雪姫」「がちょう番の娘」「いばら姫」「灰かぶり」「赤ずきん」の挿絵、ドロテーア・フィーマンの肖像画のほか、ジョージ・クルークシャンク、オットー・ウベローデの挿絵もある。また、「メルヒェンの挿絵の始まり」など、挿絵についての記述、モーリス・センダックの「小人のヴィヒテルマン」の絵もある。
・『グリムの昔話 (2)林の道編』(ヤーコプグリム・ヴィルヘルムグリム/共[著] 矢崎源九郎/[ほか]訳 童話館出版 2000.12)国際児童文学館請求記号【T001020/7/2】
→「兄さんと妹」「灰かぶり」にそれぞれ1枚ずつ、挿絵がある。オットー・ウッベローデの挿絵も「ガラスびんのなかのおばけ」1枚、「ハンスぼうやはりねずみ」3枚、「天国へいった仕立屋」2枚ある。
・『グリム兄弟とその時代』(橋本孝/著 パロル社 2000.5)国際児童文学館請求記号【T000520/10】
→ルドウィヒ・エミール・グリムがヴィルヘルム・グリムの仕事部屋、グリム兄弟や親族の肖像画、風景などを描いた挿絵が約20点ほどある。
・『グリム兄弟:生涯・作品・時代』(ガブリエーレ・ザイツ/著 高木昌史・高木万里子/共訳 青土社 1999.3)国際児童文学館請求記号【N990320/8】
→ルドウィヒ・エミール・グリムの挿絵約30点。鉛筆画、ペン画、水彩など。
・『グリム兄弟 知られざる人と作品』(ベルンハルト・ラウアー/著 清水穣/訳 淡交社 2006.4)国際児童文学館請求記号【T060418/3】
→ルドウィヒ・エミール・グリムの挿絵約9点。カラーもあり。
・『グリム兄弟・童話と生涯』(高橋健二/著 小学館 1984.9)国際児童文学館請求記号【N840920/1】
→ルドウィヒ・エミール・グリムの挿絵約4点。P369~420「グリム童話の挿絵の変遷」でルドウィヒ・エミール・グリムやクル-クシャンクの挿絵について記述がある。
・『グリム幻想紀行 童話のふるさとを訪ねて』(小澤俊夫/監修 求龍堂 1994.6)国際児童文学館請求記号【N830926/1-(11)】
→p99~105「もう一人のグリム兄弟、ルートヴィヒ・E・グリムの功績」で、生涯や功績についての記述や、カラーの挿絵が約30枚ある。また、p106~113「グリム童話に魅せられた挿絵画家たち」で、クルークシャンクの挿絵についての記述がある。
そのほかの参考資料
・『完訳 グリム童話集1』(野村?/訳 筑摩書房 1999.10)国際児童文学館請求記号【N991007/2/1】
1857年に出た『グリム童話集』の第7版を訳したもの。もともとは挿絵は入っていなかったが、この本では当時の一枚絵を入れている。P235~237「挿し絵について」という記述があるが、お調べの3人についての説明はほとんどない。
・「月刊 MOE 21巻7号 特集:本当は恐ろしいグリム童話の「真実」」 (白泉社)
P9にルドウィヒ・エミール・グリムの「兄と妹」の絵が、カラーで載っています。また、すでにご存じかもしれませんが、p24で栃木県下野市にある「グリムの館」が紹介されています。グリムの館には、図書室もあるそうです。
・『グリム童話を読む事典』(高木昌史/著 三交社 2002.2)国際児童文学館請求記号【T020201/5】
→p193~196「グリム童話の挿絵」で簡単な挿絵の歴史が紹介され、3人の挿絵も小さくではあるが掲載されている。
参考資料:『ジョージ・クルックシャンク : 諷刺画家から挿絵画家へ』(伊丹市立美術館/編 伊丹市立美術館 2003),
参考資料:『ジョージ・クルックシャンクカタログ』(同志社女子大学/編 同志社女子大学 1995),
参考資料:『Children’s Literature Review Vol.63』(Gale Research 2000)(ページ:26-72),
参考資料:『働くお父さんの昔話入門』(小澤俊夫/著 日本経済新聞社 2002.10)(ページ:1,22,58,104,187,202),
参考資料:『季刊 子どもと昔話』vol.44 (昔ばなし研究所/編 古今社 2010年夏)(ページ:8-11,12-21),
参考資料:『昔話からのメッセージ ろばの子』(小澤俊夫/著 小澤昔ばなし研究所 2007.9),
参考資料:『わが生涯の回想 グリム兄弟の弟 ルドウィヒ・エミール・グリム自伝(上・下巻)』(ルートヴィヒ・エーミール・グリム/ [著] 山田好司/訳 本の風景社 2011),
参考資料:『図説 グリム童話』(グリム/〔著〕虎頭惠美子/編 河出書房新社 2005.7),
参考資料:『永遠のグリム童話:カッセル グリム兄弟博物館所蔵』(ベルンハート・ライアー/解説 ブックグローブ社 2003.4),
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