昭和20～30年ごろの小学5年生の国語の教科書に載っていた作品を探している。 桑の実、あこちゃんが出てきて、木登りして桑の実を食べておかあさんに怒られるといった話。口の中が黒くなった、という記述もあったと思う。「あこちゃんと桑の実」というようなタイトルだった。鈴木三重吉の「桑の実」は違うとのこと。(大阪府立中央図書館)

幸田文「桑の実」がそれにあたると思われます。 『教科書掲載作品　小・中学校編：読んでおきたい名著案内』（日外アソシエーツ　2008.12）の索引で「あこちゃん」「くわのみ」で探すと p206　2841「くわの実」幸田文　 　が見つかりました。大修館「中学国語　一　上」'50　ほか'52、'55、'58にいずれも中学1年の国語の教科書に掲載されていたようです。「あこちゃん」はありませんでした。 大阪府立図書館所蔵の『幸田文全集』で内容を確認。索引によると、「桑の実(夏休み）１」とあったので１巻の掲載を確認しました。 p302-306　夏休み　の中の小品として「桑の実」が掲載されており、ア子ちゃんが主人公です。「桑の実を食べた舌は、真っ黒な」という文章もあるので、この作品と考えられます。 参考資料:『教科書掲載作品　小・中学校編：読んでおきたい名著案内』（日外アソシエーツ　2008.12）（ページ：206）, 参考資料:『幸田文全集　第1巻』（幸田文/著 岩波書店 1994.12）（ページ：302-306）,