当館所蔵資料より、以下の資料を紹介。持参された本では「乾」が下巻にあったが、【資料1・2】では上巻に入っている。
資料1:p116~121に、《確乎其不可拔、潜龍也》の本文、訓読文、通釈、語釈がある。訳としては、「このようにその志が堅固で人に揺るがし抜かれることなどない人物こそ、潜龍の徳があるという」。語釈としては、《確乎》=その志が堅固なこと。《抜》=抜木の抜に同じく、揺るがし抜くの意。その志が堅固自ら守り、人に揺るがし抜かれることがない、これが聖人の潜龍の徳である。「程伝」に「その守ること堅くして、奪ふべからざるは潜龍の徳なり」とある。
資料2:p86~88に、この部分の原文、書き下し文、口語訳がある。
回答プロセス:(1) 持参された資料の目次を見ると、「文言」→「乾」の中に含まれている一文であることがわかる。
(2) 持参された資料は「易経の下巻」であったことから、『新釈漢文大系 63 易経 下』(明治書院,2008)の目次を調査してみるも、「文言」「乾」ともになし。
(3) 『新釈漢文大系 24 易経 中』(明治書院,1993)の巻末の「卦爻辞(彖・象・文言三伝共)索引」で、「不可拔者」を見るも該当なし。「確乎其不可拔~」で調べたところ該当あり。→「上巻」の乾にあると判明。
<参考として>・〔中國哲學書電子化計劃:先秦兩漢 >經典文獻 >周易 >易經 >乾〕http://ctext.org/book-of-changes/qian/zh(最終確認2013/3/1)
・〔Wikipedia:易経〕http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%93%E7%B5%8C(最終確認2013/3/1)より、
易経・・・儒教の基本書籍である五経の筆頭に挙げられる経典。『周易』または単に『易』とも呼ぶ。
参考資料:【資料1】 新釈漢文大系 23. 易経 上 明治書院, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001872322-00, (p116~121 当館請求記号 082/シ/23)
参考資料:【資料2】 高田 真治/訳 , 後藤 基巳/訳. 易経 上. 岩波書店, 1979. (岩波文庫)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000100424-00, 4003320115(p86~88 当館請求記号 W/0001/438)
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