当館の目録類を「将棋手続」というタイトルで検索したところ、お問い合わせの『将棋手續』【当館請求記号209-356】および『将棊手續内指部』【当館請求記号209-401】のほか、『伊藤宗印極内将棋手続』【当館請求記号209-576】がありましたので、これら3点について調査しました。
1.『将棋手續』【当館請求記号209-356】について
標題等に「将棋手続 別集」と記されている箇所は見当たりませんでした。
序文中に「将棊手續ハ伊藤宗印対局ノ譜ナリ・・・余先生ノ門ニ遊ヒ対局ノ譜ノ稿本ヲ乞ヒ一本ヲ謄写ス 元書ニ他人ノ譜ノ雜ハルヲハ抄出シテ手続別集トシ又互励會手続ノ一書ハ別會ノ譜ナルヲ以テ別ニ一書ト為シヌ・・・」という記述がありましたが、この資料の内容は天保から明治にかけての伊藤宗印の対局集であり、序文にいう「手続別集」は含まれていないと考えられます。
2.『将棊手續内指部』【当館請求記号209-401】について
この資料は、題簽に「将棋手續内指部/互励會将棋手續/将棋手續別集」(スラッシュは改行箇所)と記されています。
ただし、この資料は、下記のような構成となっており、内容上「将棋手続 別集」と明記されている箇所は見当たりませんでした。
内容細目
・将棋手續(「弘化二年九月十八日於大橋宗桂宅/左禾落 大橋宗桂/伊藤印寿・・・」の記事以下9丁, 巻末に「右十八番之将棋内指ニ而雖為秘書/依懇望此度写之者也/明治四辛未年八月廿四日/伊藤宗印門人/中原志丸誌」と記した付箋あり)
・互励會将棊手続(「明治九年子八月十六日/飛落番 伊藤宗印/勝 丸山七藏・・・」の記事以下、18丁)
・将棋手続(「寛政十一年三月八日/勝 藤堂高崧/飛香落 大橋宗英・・・」の記事以下、7丁)
・将棊手続(「明治七年戌十月廿一日於東両国中村楼/角行落 大橋宗与/松本竹次郎・・・」の記事以下、4丁)
・将棋手続(「明治十一年六月十六日於神田雉子町紋左衛門/温泉徳山銀之助二段目弘會/左香落番 尾野五平/関澄伯理・・・」の記事以下、19丁)
3.『伊藤宗印極内将棋手続』【当館請求記号209-576】について
この資料には、「将棋手続 別集」という表記は見当たりませんでした。
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