残念ながら、邦訳は見つかりませんでした。
なお、『The Diary of Virginia Woolf』(Anne O.Bell/編)の第1巻に該当の日付の日記が
掲載されている可能性がありますが、当館では未所蔵のため確認が出来ませんでした。
調査過程は、次のとおりです。
1 「ある作家の日記」について確認しました。
『ある作家の日記』 (神谷美恵子/訳 みすず書房 1999)に収録されているのは1918
年分からでした。
巻末の神谷美恵子による解説によると、この本はバージニア・ウルフが残した1915年から
1941年までの日記の中から、夫のレナード・ウルフが抜粋してまとめたたものだとわかりました。
解説の中に、元になった日記の刊行(『The Diary of Virginia Woolf』)が始まったと記載が
ありました。『The Diary of Virginia Woolf』は、当館では所蔵していません。
2 元になった日記(『The Diary of Virginia Woolf』Anne O.Bell/編)の所蔵を国立国会
図書館蔵書検索で検索しました。
該当したのは『A writer’s diary』(『ある作家の日記』の原書)と『The Diary of Virginia
Woolf』を論題とした論文のみでした。
国立国会図書館蔵書検索で邦訳がヒットせず、インターネット上でも邦訳についての記述が
見当たらないので邦訳されていない可能性が高いと考えられます。
3 『The Diary of Virginia Woolf』の所蔵状況について、CiNii Booksで調べたところ、横浜国立
大学に全5巻があることが分かりました。
1915年の収録巻は1巻です。ただし、2月15日が含まれているかどうかは不明です。
4 関連図書の参考資料を確認しました。
確認した資料は次の通りです。
(1) 『ヴァージニア・ウルフ伝 2』クウェンティン・ベル/著 みすず書房 1977
(2) 『ウルフの部屋』宮田恭子著 みすず書房 1992
(3) 『ヴァジニア・ウルフ研究』 神谷美恵子著作集4 神谷美恵子/著 みすず書房 1981
(4) 『ヴァージニア・ウルフ』ナイジェル・ニコルソン/著 岩波書店 2002
(5) 『ヴァージニア・ウルフ』マイケル・ウィットワース/著 彩流社 2011
日記そのものは見つかりませんでしたが、ウルフの甥が書いたという『ヴァージニア・ウルフ伝2』
(上記(1))には、年ごとのウルフの様子が詳細に書かれており、1915年の年初めの日記の
記述もありました。
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